2023年1月4日から配信が始まった、スター・ウォーズアニメ『バッド・バッチ』シーズン2。
今回は同時配信となった第7話「クローン謀議」(The Clone Conspiracy)と、第8話「真実と結末」(Truth & Conseqences)のストーリーについて、ネタバレありで感想・考察を述べていきます。
『クローン・ウォーズ』の再来。
本質を見失わず、目の前の人を助けようとするライトサイドの人々。でも、みんなあの人の手のひらの上…。
▼前話の感想・考察記事
まずは ひと言感想
うん、ずっと鳥肌立ってました。。。
もう圧倒的政治サスペンス!!
何よりも皇帝の存在感、恐ろしさがハンパない、、
爪は隠し続け、裏では容赦なく人を切り捨て、出るべき時には素早く致命的な一撃を与える。
誰も反論できない。
悪事をなす目の前の敵に打ち勝っても、そこはまだ手のひらの上。
ケイド→スリップ→チューチー→レックス→バッド・バッチでつないだリレーの成果も、パルパティーンのひと言で無と帰される絶望感。
いろんな意味で、最後の演説にすべて持ってかれました…。
みんな一歩先行かれてたな…って落ち込んでたけど、本人引きずり出しただけすごいよ!
とにかくパルパティーンという「個」が強すぎることを、まざまざと見せられた神回でした。
何だろ、最近は主役が登場しない回の方がやりたいことやれるのかな?笑
チュン・ソロの徹底考察
いやあ、久しぶりに考察・オマージュ紹介に力が入る…。
めっちゃパラレルで描いてるし、その描き方が美しすぎてまぶしい。
パルパティーン演説
これ、EP2のクローン軍創設演説を流れだけなぞってましたね。。
共和国時代のパルパティーン最高議長は、絶対に自分の意見を表明しませんでした。
必ず推進者を立て、多数賛成のムードを作り上げた後に「皆が言うのであれば、民主主義のためにそうしましょう」と締めるだけ。
形式上は民主主義に則っており、万が一その政策が失敗しても、直接的に自分の責任にならないという賢い手法です。
「車輪の回るままに転がせておけばいい」
by パルパティーン最高議長(パドメ演説を受けて)
ですが、今回はついに “It is my opinion” 「私の意見」という言葉が口から出たのです。
そこに「ためらい」はなく、流れさえ掴めたら強引に議論を主導していく皇帝の姿がありました。
「民主主義は死んだ」のです。
この瞬間、ベイル・オーガナは元老院での闘いを諦め、早々に反乱軍創設の必然性を思い知ったのかもしれません。
この皇帝の支配下で、平和的な革命の可能性は無に等しい。
反乱「軍」として、手を汚しながら暴力革命に突き進まざるを得ない理由が、これまで以上に浮き彫りになりました。
『キャシアン・アンドー』のルーセンもだけど、どれだけ反乱軍の存在に深みを与え続けてくるのだろうか…
末恐ろしいわ!!!
モスマ不在の理由も気になるところです。わざわざパムロに交代させて、このスピーチの現場で不在となった理由は?そういえば、あの政治パーティ、元老院でのスピーチ時含め、ベイルの姿はありませんでした。。
オマージュ① クローン・ウォーズの遺産
さて第7話の最初の部分は、まんまシーズン3第10話「分離主義者の友」の冒頭シーンを引っ張ってきてましたね…。
サーム議員が危機を訴えて軍拡を主張するのに対して、ベイル・オーガナが論理的な意見で対抗。
銀行グループがサーム議員を支持し、オーガナを仲間の議員(モン・モスマ→ティンラ・パムロ)が加勢する。
後ろに控えるは、軍拡の主力人物(カミーノ人のバトーニ→ウォー=マントル計画を進めるランパート中将)。
まだ続きます。
議論が滞るところに、パッと本質を突いた正論を投げかける若手議員(パドメ→チューチー)。
その後、相棒(アソーカ・タノ→オメガ)と共に裏工作を仕掛けるも、陰謀で目的は達成ならず。
チューチーに至っては、何なら髪型までパドメに寄せてきてました。笑
彼女はTCW S1でオビ=ワン、アナキンに支えられながら、自らが動いて和平を実現させた経験を持つ人物でもあります。
『キャシアン・アンドー』でガラガラの元老院を見たとき、「パドメいないし、そうなるよね…」と思いましたが、パドメと同じ意志を持つ後継者がいました…!
あの伝説のスピーチも、腰をかけてじっくり聞き入ってましたからね…。
このセリフなんか、この時代にパドメがいたら絶対言ってるでしょ。。
You spent years fighting for us. Let me fight for you. 「今度は私に、あなた方のために闘わせてください」
by ライヨ・チューチー
ファイブスとスリップもシンクロしてますよね。。
バー「セブンティナイン」で始まるところも、「探せ、○○を」で探させるところも。(これ言ったのはレックスだけど)
以降、ストームトルーパーが命令に盲従する無個性兵士になっていき、無個性に作られたはずのクローンたちが自分の意志で声を上げていくという皮肉な構図。
オマージュ② ナンバリング作品の流れを意識してる?
これ、『オビ=ワン』ドラマの時はSNSで指摘されてるのを見るまで全く気づかなかったのですが、今回のシーズン2はわりとあからさまに数字通りに進んでいる気がする。
EP1/ファントム・メナス
・第4話:ポッド・レースもどき
・第6話:惑星軌道に浮かぶ怪しい組織の基地に挨拶に行って事故る~フォース感応の子供保護~自然に生きる戦士民族と協力して敵を撃破
EP2/クローンの攻撃
・第7話:ネオン下の暗殺者、隠されたカミーノの真相
・第8話:パルパティーンによる軍隊創設演説
まあ話の筋道というよりかは、物語の要素がメインなので、ただ演出を寄せているだけとも見えるけど、次はEP3要素探しちゃうな…。
ジェダイとシス
それぞれが関わった人々の運命がはっきりと分かれてきました。当たり前と言えばそうなんだけど。
ジェダイと触れた人々は前を向き、希望のために戦い始めている。
(クローン、チューチー議員、)
シスが関わった人々は闇に葬られていく。
(秘密裏に軍隊発注したカミーノは滅亡、逆側のジオノーシスもこの後で滅亡)
時系列問題
今回示された時系列も整理しておきます。チューチーの発言をまとめると、こんな感じ…?
19BBY オーダー66発令・銀河帝国誕生
↓?
ウォー=マントル計画始動
↓数ヶ月後 ↓1年
カミーノ爆撃 ↓
↓? ↓
現在(ここ1年クローン施設に充てるはずの資金が消失=計画開始から1年)
ウォー=マントル開始も帝国誕生から数ヶ月後くらいと考えられます。(直後であればチューチーがそう言うであろうと仮定)
となると、現在は18BBYの半ばくらいかな。
アソーカ・タノは、オーガナ合流済みなのか気になります。
今後の展開
オメガが、ここまで強いクローンアイデンティティを持っていたとは知らなかった。
ナラ・セとの関係性がいまいち分からないので想像がつかないのだが、S1でバッド・バッチが生まれた場所を知ってたのを見ると、トルーパーみんなにお母さん?姉弟?的な感情も持っている感じだろうか?
この帝国への怒りで、最終的にレックス&エコー合流の線かな?
てか、ランパートはともかくバトーニなら、オメガの重要性に気付くのではと思えてしょうがなかった。笑
バトーニがナラ・セにオメガ生存を伝える可能性もあるかも。
後は、レックスのチームの規模が知りたいな…。
連絡員もいると言ってたので、コーディもレックス経由で脱出した可能性は十分にあるように感じます。
ただ、、コーディなら自力でもいけそうだし、あの後悔の背負いようだとレックスの救出チームを知っていても、独りの道を選ぶような気もする。。
コーディに救いは訪れるのだろうか…泣
最後に記憶の果てに飛んでいたクロスヘアー。
ランパートが逮捕されたので、誰の下につくのだろうか?
あれ、逆に真実を知るランパートを回収せよ、とか始まっちゃう?笑
細かな感想群
まだまだ言い足りないっ!
そんな私の長話にも付き合ってくださる方に感謝しながら短文をたくさんだべります。
第7話
・スリップの「忘れろ」が英語セリフは “Let it go.” で、完全にジェダイを意識している。笑
・オーガナもモスマも、トラウマで行動がパルパティーンになってるよね。基本は無難な線で反対派するけど、あくまで発言者はチューチーだった。「大局」と言ってみたり。
・にしてもオーガナ氏の筋の通った議論。クローン軍創設の理念に反するか。さすがのベイルでも「戦争が終わったら、緊急事態大権返すって言ってなかった?」はまでは言えないか。。
・ライヨ、前はリヨ表記だった気がする。ティラナス、タイラナス問題ですね。
・R2-C4。なぜか英語オーディオ・ディスクリプションの音声ではR2-D2って言われてたのだが。笑 声が違うので間違いだと思うが、R2はいくら出てもいいから出せよおおお!!!
・レックスとチューチーの面識。2人の接触で思い出せるのはパントラだけだが、それだけ印象深かったのだろう。パントラの時のレックスは、わりとMAXイケメンだったしなぁ。
・自ら命を絶った暗殺者。使ってた装置は『マンダロリアン』シーズン2 チャプター11でボ=カターン・クライズの目の前で死んだ帝国士官と同じものっぽいですね。Believerとは…?
第8話
・エコーの「孤独は苦手」は、ズキンと来るものがありました。。
・まさかテクにも想定外があるとは…笑
・「オメガが帝国の検査に引っかからない」とはどういうこと?遺伝子操作されてないから?だとしても登録してない人員を議場に簡単に入れられるのってどうなの?笑
・ランパート、急に現れた子供に目も暮れないのが敗因でしたね。神は細部に宿る。もしこれがスローン大提督なら、すぐに話を聞き出して正体見破って、違法侵入で捕まえて、バッド・バッチの生存も突き止めてシーズン終了のお知らせでしたね。
・街頭で流れるパルパティーンのメッセージまで、クローン・ウォーズでした。。
・やっぱり、ウォー=マントル計画は裏金で進んでたんですね。まさかのクローン施設への資金を横流ししていたとは…。そしてその情報を掴んでいたベイル。まあTKトルーパーわりと公然と使い始めてたしな。
・造船所には映画泥棒ドロイドがたくさんいましたね。
・クローンとちびっ子のハグにはグッとくるものがある。。ワックス&ボイルとヌーマの影が…。
さいごに
やっぱり、クローン・ウォーズが好きだあああ。
またTCWの新作が観れたと思うと、これ程うれしいことはないですね。。。
ああ、クローン・ウォーズや。。第3話は戦場、今回は議場でのクローン・ウォーズやってくれた。。
パドメ、、ファイブス、、
書きたいことが多すぎる。
— チュン・ソロ (@mileniumpadawan) February 8, 2023
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