4月23日(水)から配信開始となった『キャシアン・アンドー』シーズン2。
本記事では4話から6話の感想と解説をお届けします。
マジで、見てて胃がキリキリするスター・ウォーズって何なん?笑
テーマ別感想
愛か大義か
今回のアークでは、全体にわたってスター・ウォーズおなじみのテーマが明確に描かれていたと思います。
「私が何を犠牲にしたかだって?全てだ。」
by ルーセン・レイエル(『キャシアン・アンドー』シーズン1第10話)
己の愛を捨て去り、大義のために全てを懸けて戦うルーセン。
一方で愛を拠り所にして戦いを続けるキャシアンとビックス、シンタとヴェル。
反乱を支える2組のカップルは、ルーセンに相談することにしますが、それぞれが一種の帰結を迎えます。
キャシアンとビックスは、敵への勝利を通じて一時の安定を得ました。
ヴェルはシンタの死を通じて愛を喪失し、前へと進まざるを得ない状況になりました。

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一方で、父を失い、恋人をミーナ=ラウに残し、すでに愛を失っていたウィルモンは、妹の亡霊と夢を共にするソウに付いていき、命を燃やすことを選びました。
「革命は正気を保っている者には無理だ」
by ソウ・ゲレラ
「君は革命家ではないようだな」
by カロ・ライランツ
ルーセンの流儀は、見た目は全く違えど、ジェダイ・オーダーのヨーダに通じるように感じます。
私情への執着を捨て去り、全体の善のために仕える。
一方で今回のアークでは、秘密主義、情報網、大義の優先というこれまでルーセンの組織を守ってきた規律が、逆に組織が明るみにさらされる瀬戸際まで追い詰める場面がありました。
ジェダイ・オーダーのように崩壊が近いことを暗示しているのかもしれません。
また、今回は明確に描かれませんでしたが、恋人を潜入工作員とするデドラもいずれ愛か大義かの選択を迫られる可能性があります。
デドラは、いざという時にシリルを捨てることができるのか?それとも愛を選んで破滅の道を辿るのか?
予想ですが、シリルが工作員となったのは、彼が志願してのことだと思います。初めて会った時から「まともな訓練は受けてないけど僕は優秀だ。君の役に立てる」って息巻いてたので。笑
ISBの社内政治
常に無能感をだだ漏らしにするおじいちゃん監査官のラグレット。シーズン1でもパターガスから徹底的に詰められていました。
しかし、彼は生き残っているのです。。
シーズン1と会議に並ぶ面々を比較すると、監査官が多く交代させられていることに気付きます。例えば、同様にシーズン1で曖昧さを詰められていたグランディ監査官の姿は消えています。

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シーズン1と変わっていない人はデドラ、ロニ、ラグレット、他5人です。(ソースは私によるシーズン1の映像との見比べ)
監査官は合計18人なので、ぴったり半分が交代させられている計算になります。。
(ちなみに席位置も微妙に変わっています。デドラはシーズン1ではパータガスから右に6番目でしたが5番目になり、ラグレットとロニはパータガスから左に4・5番目だったのが5・6番目に変わっています)
ラグレットの右に座るヒアート監査官は、デドラの元助手ですね。。
デドラにとってはゴーマン担当のための見かけ上の降格とはいえ、主力プロジェクトが大炎上して(文字通り)、リード担当者の地位を直属の部下に奪われ、かつては一緒に残業して支え合ったその部下は自分に対してナメた態度を取ってくる。これはキツくないか…?
スパイのロニが再登場。会議で作った貸しがすぐに実を結びました。
ドクター・ゴーストが軍と共用の専用施設に移されることになり、ロニとヒアートがこの件のISB側代表者となります。
熱意にあふれるヒアートに指揮を執らせることで責任をなるべく避けつつ、密かにルーセンに情報を提供したことが、キャシアンとビックスによるゴースト爆殺作戦につながったのでしょう。
うまくいけば軍に責任を押しつけられますが、それでも「誇り」に思っていたヒアートは失態だと感じるでしょう。
ISBによる拷問の成功率を減らし、ビックスのトラウマを軽減し、アクシス担当を焦らせる。見事な策です。
ベイル・オーガナ…?
ベイル・オーガナがこれまで演じてきたジミー・スミッツではなく、ベンジャミン・ブラットによって演じられています。公式からの発言は以下の通りで、交代の理由はスケジュールの都合とのこと。

コライダーは見だしで「スター・ウォーズはもっとリキャストに頼るべきだ」などとまで言っています。。
いや、年齢違いで交代はいいとして、今回の交代はダメでしょ…。
まず解釈が違いすぎる。。あの大きな体格がないのはしょうがないとしても、仕草が違うし、あんな軽い話し方しないし、ベイルのベの字もない。
実際、納得できなくて最初に思い浮かんだのはある考えでした。

つまり、第6話に登場したベイルは影武者という説。
モスマと違ってベイルは早々に元老院での政治による抵抗を諦め、アソーカと共に反乱ネットワークの構築に勤しんでいます。
そこで休養か何かを使ってしばらく身を隠した後、コルサントでの仕事には影武者を送り込み、自身は反乱活動に専念しているなんてストーリーが思い浮かんだのです。
そうだよ!絶対そうだよ!
時系列6年前の『オビ=ワン・ケノービ』ではジミー・スミッツだったけど、あれはオルデラン内の話だったし。それでいけるって!視聴者をこれで騙せるって言うなら、銀河の人々なんて簡単に騙せるでしょ!
…
スター・ウォーズだって当然のごとく現実の問題に直面するのは頭では分かってるけど、全く受け入れられん。
直結する『ローグ・ワン』もジミー・スミッツだし。
それに『マンダロリアン』と『ボバ・フェット』ではルーク再登場にあれだけの労力をかけ、『アソーカ』では関わってこないと不自然なレイアの存在を3POを通してリアルに感じさせる粋な演出を見せてくれました。
2人は主役級とはいえ、ベイルもまた重要人物。レイアのお父さんですよ。
もうちょっとどうにかしてほしかったな。(まだ自分の説を捨ててません)
エピソード別の細かな感想
第4話「ゴーマンに行ったことは?」
悪夢のシーン。覚めた瞬間、窓の外がはっきり見えるの、演出として素晴らしいですね。
惑星ユキオは、スローン三部作にも出てくる農業惑星です。スローンが食糧調達の重要拠点として重視しました。
標準局の警備員はポッドレースの実況中継を見ていましたね。あのエンジン音はセブルバか??
元老議員の投票根回し。クローン・ウォーズみがあって懐かしい。。パドメたちが軍事費増額の反対票を集めてたな…。
ゴーマンの“傲慢さ”は使用する言語にも表れています。同じ人間種族のシャンドリラでは母国語の使用は惑星内の伝統行事のみに限られていますが、ゴーマンでは今でも母国語を日常使用しています。
そして、どうしてもフランス語っぽく聞こえるんですよね。。言語に対する態度とファッションの中心地であることも。とか思ってたら、衣装のインスピレーションがフランスとイタリアにあることが明かされました。

惑星ディカーは、エピソード7でレジスタンス基地として使われていた場所ですね。


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出発前のキャシアンとビックスのシーン。音楽、光と影、視線。深く愛し合っていることが純粋に伝わってくるスター・ウォーズきってのラブシーンになったのではないでしょうか。私はあのシーン大好き。
第5話「友達はあちこちにいる」
初っ端の演出、メタに侵入してくるの嫌いなので恐かったな、、
キャシアンによるゴーマンへの憐れみ。ベルボーイの男性は、帝国によって父を失いました。彼の境遇と重なります。街が燃えるのを恐れるのは、フェリックスと重なるから。
シリルがISBに着ていったのは、「僕を見て!」な色のスーツですね。標準局での初日に着ていたのと同じではないかと。
やっぱり宇宙空間のショットがあると嬉しい。。Xウィング視点のハイパースペース突入はよいな。
ゲレラはライドニウムを盗むことに成功しました。『反乱者たち』シーズン4の第3話では、帝国の施設爆破のためにライドニウムを使用していました。
第6話「実に楽しい夜だ」
ゴーマンに続き、スティアガードに対しても「リマ交易路」という表示がされました。スティアガードは、シーズン1でキャシアンが盗んだスターパスユニットの出所ですね。(デドラの宙域)
今後重要になってくるのか?
シンタが初めて弱さをさらけ出したのではないでしょうか。人の良いテイと親しくなった後に始末した、みたいなことがあったのでしょうか…。
テレビで放送されていた元老院の宣誓式が執り行われます。モスマは途中までは宣誓するも、表向きでも忠誠は誓えませんでした。
終盤のゴーマンでの強奪とクレヤの回収は、何がどうなってもいい方向に終わらなくて見てて胃がキリキリしました。。
次の時代に向けた予習 ~その頃『反乱者たち』では?~
次のアーク、BBY2の時代は『反乱者たち』のシーズン3に当たります。反乱史においてかなり重要な出来事が起きているので、いよいよクロスオーバーが起きるかもしれません。少なくとも、以下の出来事が言及される可能性はあるでしょう。
第12話&第13話「ジオノーシスの亡霊」:オーガナ議員の任務でソウ・ゲレラがジオノーシスを探索。ジオノーシアン大量虐殺の証拠を入手します。(ゲレラはハゲています)
第18話「極秘輸送」:ゴーマン虐殺を受けてモン・モスマが皇帝を公に非難。ダントゥインで共和国再建のための反乱同盟軍が結成されます。アースキンも登場しています。
第21話&第22話「攻撃開始時刻」:フェニックス中隊の基地がスローン大提督による攻撃を受け、壊滅状態に陥ります。
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