4月23日(水)から配信開始となった『キャシアン・アンドー』シーズン2。
本記事では、第3アークとなる7話から9話の感想と解説をお届けします。
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テーマ別感想・考察
メッセージを背負う者、メッセージを託す者

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メッセンジャー。
メッセージを届け伝える者。
多数の人間は、自分を形作ったもの、つまり過去を背負う。
しかし、ごく一部の人間は、道を進むごとに魂の強さを集めていく。
ここ、解釈が難しい。。吹替と字幕でも意味が違ってるし。。gatherとcarryが対比されている。gatherを集めるの意味で捉えると「自分を形作ったものを背負う」というcarryの文と違いがなくなってしまう。やはり、gather strengthで「力を蓄積する」や「しだいに強くなる」の解釈が正しいのではないだろうか。
常人はひっきりなしに起こる現実にされるがまま、過去をどんどん抱えて足取りが重くなっていく。しかし、キャシアンのような人間は、そんな現実を前にして精神力を強くしていく。失った大切な人々の想いを受け止めて晴らすため、戦いを続けることを己に誓い続ける。
周囲の他者を助け、反乱を前に進める。
「連中の悪事を暴かないと。一人でも生き延びて、人々に伝えるんだ」
by メルシ(キャシアン・アンドー シーズン1 第11話)
「ゴーマンで起きたことを広めてくれ、キャシアン」
by ウィルモン(シーズン2 第8話)
「父は反乱軍のために、あえて武器開発に協力して罠を仕掛けた。だからメッセージをあなたに届けた」
by ジン・アーソ(ローグ・ワン)
「主人はオビ=ワン・ケノービで、これは彼へのメッセージだそうです」
by C-3PO(エピソード4/新たなる希望)
ゴーマンの虐殺
帝国が自作自演で海軍の補給所を爆撃しました。それを隠れ蓑にするかのように、各地に掘削機を設置。
市民レジンがゴーマン戦線のメンバーとなっていましたね。話し始めるタイミング、話すべき内容も
カイドー大尉の戦術は、チェス盤の上で弱い駒同士を取って取られる状況に陥れるようなものでした。
まずは新米兵士を大量に呼び寄せました。行進すら整わず、帽子を被り忘れたりしており、経験の薄さが感じ取れます。
次に広場にバリケードを築き、ゴーマン人を挑発します。
思惑通りに広場が群集で埋め尽くされたら、“エリート”であるストームトルーパーで出口を確実に塞ぎます。
広場の中心までの通路を新兵で確保するという無茶な任務で火に油を注ぎます。
非致死性の武器での小競り合いが始まり、沸騰直前となったら「帝国が先に撃たれた」という言説を作るため、スナイパーに新兵を撃たせます。
完全に制御されたカオスの始まりです。その様子を外から満足そうに見守るカイドー大尉。
エンザ「もう沈黙を続けていられない」
ライランツ「沈黙だと?死ねば永遠に沈黙することになる」
ISBに、ルーセンに煽られ、赤々と燃えたゴーマン。
また、今回は報道の力が強調されていたように感じます。
証拠がないことをいいことに帝国の見方に沿った報道が各所でなされます。第8話ではパータガスの発言とそっくり同じ論調がそのままメディアに流れています。
パータガス「帝国の規範に不可解に抵抗する脅威だ。帝国は十分我慢した」
メディア「不可解な抵抗を続けるゴーマンに対し、いつまで帝国の忍耐力が持つでしょうか?」
シリルも、掘削機の設置が「反乱勢力が夜通し広めた噂」と伝える報道官を目撃して言葉を失いました。
モスマの独白
まずは、発言が決まっていたホディ選出のアーヴィン議員が、先任議員の権限でオーガナ議員に場を譲ります。
発言権を得たオーガナ議員は、皇帝派の議員が発した「緊急事態」という前提に基づき、皇帝の評議会が提案した条項17-252を発動します。
先任議員(Senior Senator)という言葉を知らなかったのですが、現実に米国上院でも務めてきた年数の長い議員には、Seniority(年功)に基づいて委員会の議長など役割や権限が与えられる場合があるようです。
こうして繋がれたバトンを受け取ったモスマがついに口を開きます。
怪物パルパティーンの声にかき消される真実。
まさに人々によって最高議長に選ばれ、非常事態権限という大きな力を与えられてきました。
パドメの演説のような強く感情を揺さぶる技はありませんでしたが、伝えたい内容と同様に淡々と力強く事実を伝える名演説でした。




ドレイブン将軍が言うように、この後はゴールド中隊がモスマを運びます。
この様子は途中からアニメ『反乱者たち』のシーズン3で描かれました。本作ではヤヴィンに連れていくと繰り返し言われますが、実際の目的地は反乱軍の会議が行われる惑星ダントゥインでした。
混乱するデドラとシリルの最期
正直、シリルの心が帝国から離れる方向はあまり考えていませんでした。
1年の間、同じ土地に住み続け、故郷のため切実に解決策を求める人々とふれ合えば、普通の人間であれば情が生まれるってことですね。
1年という期間の長さを思い知らされました。
身なりもゴーマン風に染まり始めています。1年前はぴっしりな髪型に真っ黒なコートでしたが、今や髪は少しパーマがかり、羽織るのはおしゃれなベージュのロングコート。
元々、モーラーナの警備隊という武骨な現場でも制服をお直しするような人でしたから、ファッションを通じて自己表現できるゴーマンが性に合ったのかもしれません。
また、真っすぐな性格だからこそ、本来の目的を達成できていなければ、高い評価も当然受け入れられません。
デドラとの激突は感情がぐるぐる振り回されましたね。。特に最近エピソード3のアナキンとパドメのムスタファーでのやり取りを見た後だったので、、


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昇進を口にした後、何の反応もないシリルを見て、目が泳ぐデドラ。
デドラは帝国に従う道しか知りませんが、シリルはシリルなりの正義を常に追い求めていました。
キャシアンとの対決は、ほとんど素手の殴り合いでしかないものでしたが、運命に翻弄されてきた2人の儚き戦いという意味でモール vs アソーカに通じるものを感じました。
しかし、彼の最期の決断は愛する者を守り、長年の敵も殺さないというもの。自分ではどうにもならない何かに翻弄され続けてきたことを感じ取ったのかもしれません。
右目から流れる涙、左目から流れる涙
ゴーマンを去るキャシアンの右目から流れた涙。
コルサントから息子の安否を心配するイーディ。
涙を流せないデドラ。
エピソード別の細かな感想
第7話「メッセンジャー」(Messenger)
「ヤヴィンの人口が増える」というあらすじから心の中で盛り上がりましたね。
冒頭では「到着時の申告」や「身体検査」など、ヤヴィン基地の制度が整ってきたことが示されました。
ウィルモンもヤヴィンにいて少し違和感を覚えましたが、この時点ではゲレラの組織もオーガナ議員の指揮下にありました。1年も経たない1BBYには抜けて、また 単独行動を取っているようですが。。
デドラがパッドに写された時のビックスの反応。食い入るようにトラウマをもたらした張本人を見つめていました。。
パータガスが言及したイードゥの研究施設は、『ローグ・ワン』で登場したゲイレン・アーソが従事している施設のことですね。
キャシアンが飛ばすUウィングに乗るウィルモン、かわいかったですね。
第8話「お前は誰だ?」(Who Are You?)
第9話「反乱へようこそ」(Welcome to the Rebellion)
KXドロイドの恐ろしいこと。。


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まあ、フォールン・オーダーやサバイバーで散々首根っこ掴まれて、地面に叩きつけられてるので、身をもって知ってはいたのですが。笑
ドリーナを助けに行くというウィルモン。
ただのワンナイトではなく、反乱への想いを語り合ったのでしょう。
やはりテイ・コルマは、おそらくシンタの手によってあの後すぐに殺されてしまったようです。それが何らかの形でシンタのトラウマになったと。。
元老院で皇帝支持の言説を非人間種族に語らせるというのが嫌らしいですね。
オーガナのチームに工作員を送り込んだヤング監査官ってロニですよね?
すぐに正体がバレるようなスパイを送り込むことで、オーガナのチームを失敗させ、自分の手で確実にモスマを連れていくという算段だったのでしょうか。。
今回は大局を見ないラグレット監査官が相手で助かりましたね。ユラーレンからの直通電話はクビの宣告でしかないでしょう。シーズン1から生き残ったメンバーでしたが、ここで退場です。
メルシ登場。ヴェルがブラスターに見たのは何かのシンボル?
前回のアークでも感じましたが、『キャシアン・アンドー』は何気ない背景音がいいんですよね、、
コルサントでちゃんとパトカーのサイレン音が聞こえたりするし。
その頃『反乱者たち』では?
年を同じくするシーズン3では、第21話&第22話「攻撃開始時刻」でフェニックス中隊の基地がスローン大提督による攻撃を受け、壊滅状態に陥ります。
その後、シーズン4ではエズラたちもヤヴィン基地に一時滞在し、反乱軍本体とは別行動を取り始めているソウ・ゲレラとも任務で接触します。
タイ・ディフェンダー工場という戦略的に重要な場所であるロザルに対し、反乱軍が組織的な攻撃を仕掛けますが、スローン大提督の策略で壊滅。反乱軍はロザルから手を引き、エズラたちゴーストチームは反乱軍から離れて孤軍奮闘することになります。
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