これまで見た映画の中で、一番恐ろしいと思う悪役は誰…?
そんな質問を投げ掛けられたなら、私はすぐさまこう答える。
ダース・シディアス一択。
だって、こいつ一代でジェダイ・オーダー壊滅させましたからね。
1000年に渡って政府お墨付きで銀河を守ってきた予知能力付きの超能力者集団を、ですよ。
ジェダイ・オーダーのことは、らくらくとだまし続けてきたシディアスですが、一人何をしても邪魔してくるどうにもならない天敵がいました。
そう、パドメ・アミダラです。
今回はそんなパドメの戦績と、同じくパルパティーンとメタレベルで戦った4人をご紹介!
パドメ・アミダラの戦い方
パドメの戦い方と言えば、アナキンから受け継いだ“積極的”な交渉(aggressive negotiations)ばかり思い浮かぶチュン・ソロ。笑
その勇敢さも称えられるべきですが、
「元老院の歴史にも残るべき偉業」かつ「あのパルパティーンの計画を阻んだ」と言えるのは、ある言葉でした。
パドメ 伝説のスピーチ
クローン・ウォーズ シーズン3第11話。
戦争が続く中、元老院では軍備増強の是非を巡って激しく言い争いが行われていました。
もちろんこの論争もシディアスによって操られています。
ドゥークーを通じて賞金稼ぎを雇って、増兵反対派の議員を脅したり、
分離主義勢力に追加のドロイドを購入させて「敵も増兵しているぞ」という危機感を煽ったり、
と、持てるコネ・資源をフル活用し、入念に「増兵するしかない」状況を作り上げて、共和国の財政悪化&戦争継続を予定していました。
一見すると覆しのないかに見える流れを、言葉のみで一変させてみせたのがパドメ・アミダラ。
彼女のスピーチ、恐ろしく良くできているんです。
言ってることは「500万人のクローン兵の追加購入をするための『増兵予算案』に反対しましょう」ということなのですが、
その伝え方が心をがっしり掴んでくるのです・・・。
スピーチ全編はぜひシーズン3の第11話を見直してみてください!
①第一声を「テクラ・ミナウ。」という誰も知らない人の名前で始めたことで「は?」と聞き手の興味を一気に引き付け、
※テクラはパドメの影武者の一人。
②「戦争」という大きすぎる論点を、「一人の人間の生活苦」として語ることで、誰もが共感せざるを得ないレベルまで落とし込んで聞き手を頷かせ、
③増兵が頓挫すると一番しわ寄せを受けるであろうクローントルーパーに対しても「勇敢な兵士たちを支持する」と敬意を払いつつ、
④「(生活支援に資金が回らなければ)戦場ではなく、故郷の地で負けることになる」と上手いこと言いながら、
➡⑤話の最後をちゃんと「議員ならこの動議に反対するのが義務!」と締める。(誰も反対できない。笑)
圧巻。。。。
こんな素晴らしいスピーチ聞いたことない。
スター・ウォーズ界のキング牧師!!!?
いつも環境をコントロールすることで、「正義」を盾にして計画を進めてきたパルパティーンもどうすることもできませんね。。
「一人の支配者が銀河の全てを手中に収めてるにも関わらず、たった一人の議員による”言葉”が何百万の意志を変えうるとはな…」
by パルパティーン最高議長
ただパルパティーンの凄みは、自分の意見を強く打ち出さないこと。
議会で他の議員(今回ではバトーニ議員)が主張し、自分は「みんなが決めたことだから」と謙虚に受け入れる姿勢を取るだけ。
だから策が失敗してもパルパティーン自体の評判は下がらないし、責任も取る必要がない。。。
リスク管理の鬼。
伝説が遺したもの・・・
そしてこのスピーチ、クローン大戦を止めることは残念ながらできませんでしたが、確実に「希望の種」を残しました。
印象的なのが、反乱同盟軍の創設、そして新共和国の成立初期を率いることとなるモン・モスマが感銘を受けているシーン。
パドメは亡くなり銀河帝国の支配が始まりましたが、『反乱者たち』でのモスマの反乱軍創設スピーチも、パルパティーンに対抗する力を”言葉”で結集させました。
↓
同盟軍艦隊、アッセンブル!(違う)
おまけ:シディアスと真に戦った4人
パドメと同じようにシディアスの大いなる計画を邪魔した人々をご紹介。
これ残念なところで、多くのジェダイは愚直にクローン大戦を戦っていたので、このステージに立ってる人いなかったんですよね。。
所詮、計画内の戦いを一生懸命戦うのみ。。。
だから「真に戦った」というのは、真の狙い「共和国転覆計画」を阻止しようとしたという意味になります。
パドメなんかは”結果として戦ってた人”ですが、プリクエル観てるとガチで止めにかかってた人含めて後4人該当者がいるかなと思ってます。
CT-5555 ~陰謀との対決~
まずは、アークトルーパーのファイブスです。
パドメが平和のみを追求した先にパルパティーン計画との衝突があったなら、ファイブスは友情・絆でしょう。
リンゴ・ヴィンダの戦いでオーダー66が誤発した際、シディアスの息がかかった”科学の理論”も気にせず、タップに降りかかった災難の原因究明を続けました。(TCW S6EP1)
その結果、全てのクローントルーパー脳内に人工的にチップが埋め込まれていることを発見。
最終的には、パルパティーン自身から種明かしをされることに・・・
哀しきかな。
適切な説明の方法と機会がなければ真実も陰謀論にしか聞こえません。
タップはウイルスによって、ファイブスは最高議長を襲った狂人として死んだこととなりました。
クワイ=ガン・ジン ~ジェダイの救世主?~
彼こそが「選ばれし者」を正しく導く者でした…。
エピソード1でのダース・モールとのセーバー戦は、だてに「運命の闘い」と言われている訳ではありません。
ジェダイ評議会の席を勧められた時も、フォースとのつながりを優先して評議員になることを避けました。
元老院のご機嫌を気にするようになった評議会の”外”にある視点が必要だったということでしょうか。
結果的にアナキン・スカイウォーカーによってバランスが取り戻されましたが、クワイ=ガンが生きていれば彼を父として導き、もっと平和的な解決になったかも。
それか、ファイブスのようにでっち上げられたかもしれないですが。。
モール ~秩序の正面衝突~
クローン・ウォーズ/シーズン7は記憶に新しいところ。(ネタバレ有)
共和国 VS 独立星系連合 というシディアスの筋書きに対し、地下犯罪組織をまとめあげ第三勢力となるシャドウ・コレクティブを作り上げます。
その鎮圧は、ダース・シディアスが唯一自ら手を下した極めて珍しいケースです。(TCWシーズン5第16話)
赤いセーバー5本+ダークセーバーが交わるセーバー戦は震える。。。!
この時の目的は単純にオビワンへの復讐で、その過程でシディアスに目をつけられたという形でした。
しかし、脱獄後に「マンダロア包囲戦」を引き起こした際は、確実にシディアスの計画を邪魔することが狙いに。
将来の弟子アナキン・スカイウォーカーをおびき寄せて殺そうと目論みました。
はて、
そのモールの意図を予知し、
シタデル回で得た、共和国と分離主義の中心を結ぶハイパースペース航路「ネクサスルート」を使ってグリーヴァスをコルサントへ送り込み、
パルパティーン誘拐事件を引き起こしてアナキンがマンダロア何かに行ってられないようにしちゃったりしていた・・・?
ドゥークー伯爵 ~腹心の裏切り?~
最後に直下の弟子を。
チュン・ソロは、ドゥークー裏切る予定満々だった説推しです。
このポジション、シスの伝統的に最も警戒されるから、よっぽど手の込んだ策を準備しておかないと勝てませんが。
実際、弟子として鍛えていたヴェントレスは強力となった時点で、抹殺の指令を出す鬼畜さ。。。
クワイ=ガンと師弟そろって候補に挙がるのが象徴的ですな。
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