2023年8月23日(水)より配信開始となったスター・ウォーズの実写ドラマ『アソーカ』。
今回は第7話「再会と別れ」(Dreams and Madness)のネタバレ考察・感想をお届けします。
▼前回第6話の感想&考察
時系列での小ネタ拾い&感想
冒頭~監視委員会
まず冒頭の音楽ですが、珍しく高音のコーラスです。
なんとなくその雰囲気は、『エピソード1/ファントム・メナス』でクワイ=ガン、オビ=ワンの2人が、ジャージャーに連れられて、グンガンシティに泳いでいく場面の音楽を思い起こさせました。(シーンの関連性は見いだせませんが)
場面がコルサントに移った時の音楽は、『マンダロリアン』シーズン3でテヴァが渋い顔して歩いていた場面と似ています。
「コルサントのテーマ」爆誕かな?
さて皆さん、これまで「新共和国軍」と気軽に言ってきましたが、間違っていたようです。
正しくは「新共和国保安部隊」(the New Republic Security Forces)です!
軍隊は持ってません!平和維持のための必要最低限の実力を保持しているだけ。ん…?既視感が…
監視委員会の理事?は5名。
議長モン・モスマ、強硬的な厭戦派ハマト・ジオノ議員、ギアル・アクバー、第3話でも登場したマウード議員、おじいちゃんサラスタン。
ってアクバー提督!!何か喋ってくれよ・・・
『スローン三部作』のフェイリャポジばっかり目立って、モスマがあくせくしてるじゃないか!頼むよご本人!
クレジット確認したけど、アクバーを演じてきたパペット操者も声優も名前が確認できなかったので、制作上の都合でいるだけで精一杯だったみたい。(ファン人気は高いし、レゴ作品ではすぐネタになる愛されようなのに、不遇の扱いばかり…泣)
テヴァが「マンダロアの戦い」を言及しました。
これで時系列が『マンダロリアン』シーズン3→『アソーカ』の順番で確定しましたね。さすがデキる男はモヤモヤだった時系列問題にも切り込んでいく。
でもジオノに反論されて、しばらくヘラの後ろで立ち尽くしたままなのがかわいかったですね笑
そういえば、ボ=カターン率いる新生マンダロアは新共和国に加盟できたのだろうか…?
ぅぉっ、って声だけで「スリーピーオオオオオ!!!」ってテンション上がりました。笑
特にジオノ議員の正論マン攻撃に飽き飽きしていたんで。。
「IDですと?見せる必要はありません」(I do not need to show you identification.)
by C-3PO
「身元証明を調べる必要はない」(You don’t need to see his identification.)
by オビ=ワン・ケノービ(エピソード4/新たなる希望)
3PO、念願(?)の「自分でID提示拒否」を達成しました!
これの前の “How rude!”(失敬な)も『エピソード5』のクラウドシティでの発言と揃えられていてグッドでした。
R2に遅れてとなりましたが、ようやくマンドーバースに登場できましたね!
クレジットも “with Anthony Daniels” “and Hayden Christensen” と豪華でした・・・
からのジオノによるドロイド蔑視な発言。
こういう方には、将軍からひとことどうぞ!
「ドロイドを侮ってはダメよ」
by レイア・オーガナ・ソロ将軍(エピソード9/スカイウォーカーの夜明け)
憤慨するチョッパーも、宥めるテヴァもかわいかったですな。
レイアの現在の職は、防衛評議会の長ということでした。
タイトル問題、いい味出してるヒュイヤン
何でタイトルの日本語訳「再会と別れ」にしたのだろうか・・・?
分かりやすさとか以前に、これどう見ても第6話でベイランがペリディアを表現した時のセリフから引用されてますよね。
「ここは夢と混沌の国だ」(This is a land of dreams and madness.)
by ベイラン・スコール
まだ何も夢な要素もそこまで混沌な感じも出てませんが。。(死んだはずのスローンとエズラがいるだけで“夢”なのかもしれないけど)
まあついに従順な傭兵だったベイランが勝手な行動を取り始めた底知れない怖さを感じた回ではありました。
ググったら『夢と狂気の王国』(The Kingdom of Dreams and Madness)というジブリの制作現場に迫るドキュメンタリー映画が出てきたんだけど、さすがに関係ないっすよね?
アナキン氏、ホログラムでの再登場!
懐かしい方々の名前が挙がりましたが、ここで実際にクローン大戦期に彼らと対峙したのかを振り返ってみましょう。
◎撃破、○2回以上、△1回、✕対戦なし(ソース:私チュン・ソロの記憶力)※例:2-9/10→シーズン2の第9話と第10話で対戦
グリーヴァス将軍 | ドゥークー伯爵 | アサージ・ヴェントレス | モール | |
---|---|---|---|---|
アナキン | △ EP3 | ◎ 7回 EP2,映画,1-11,4-4/18,6-10,EP3 | ○ 映画,3-2,3-12 | ✕ |
オビ=ワン | ◎ 5回 1-4,2-9/10,3-2,EP3 | ○ EP2,1-11,6-10,EP3 | ○ 映画,3-12 | ○ 5-1/16 |
アソーカ | ○ | ✕ | ○ | ◎ |
※間違いを指摘してくだされば更新します!笑
アナキンもまさか、アソーカがドゥークー伯爵と対面しない代わりに、復活したモールを初見撃破するとは夢にも思わなかったでしょう。笑
そして全員の敵と複数回対面しているオビ=ワンの手広さ。
ヒュイヤンがいいキャラしてますね。
アソーカ:今さら苦情を?(Well, you should’ve said something.)
ヒュイヤン:前にも言ったのに…(I did. But you never…)
アソーカがアナキンになってるんだよな~。笑
アナキン:お前がちゃんとホロマップを読まなかったからだ
アソーカ:読みました!(I did!!)巨大な防壁のこと忠告したでしょ。そしたらあんたが“そこには近づかないよ”って言ったんじゃん
アナキン:とにかく登るぞ
『クローン・ウォーズ』シーズン2第5話「砲火を抜けて」より
ヒュイヤンが謎にアソーカの I did! を完コピしてて笑いました。
からのもう1個シンクロ。
「(敵が退いたのは)ここが危険だからだ」(We’re going to get pulverized if we stay out here much longer.)
by ヒュイヤン
『エピソード5/帝国の逆襲』で、小惑星帯を突っ走るハンに対してレイアが言ったセリフ “We’re gonna get pulverized if we stay out here much longer.” と一致率90%ですね。
エズラとサビーヌの再会
サビーヌの「アソーカの弟子になった」に対し「君を弟子に?」(Why?)って素で聞いてしまった時の、エズラの焦りよう…笑
からの慌てて微妙なフォローするところもエズラですね。
最初はTCW S7の代わりに与えられた、子供向け画風の生意気ボウズだったのに、いつの間にか愛されるキャラクターになってました…。
フォースでつながるアソーカとサビーヌ。
サビーヌがこぼした言葉、”familiar”はEP4でオビ=ワンを感知したベイダーを始め、フォースで感知したときによく出ますね。
ついにサビーヌがフォースと意識的に繋がりました。
本筋と全く関係ないんですが、「道具は身体の延長」ってよく言われるじゃないですか。
たとえば、“家”という“道具”は外界から体を守るための「皮膚の延長」とも捉えられる訳ですが、ノティ種族の家ってまさに彼らが背負ってる「殻の延長」であるという前提が機能や構造から感じられて(家は移動できる・堅牢であるべき)、とても良かったという感想が言いたかっただけです。
▼『マンダロリアン』シーズン3でアグノート種族の文化・特徴が垣間見れた時も興奮してます。
ベイランとシンの別れ
唐突に訪れた別れの瞬間・・・。
ちょっと翻訳が分かりづらかったかな?私の読解力のなさかな…。
「帝国で足場を築ける」と言ってるところ、主語はシンのみを指しています。
原文は、Kill Sabine Wren and Ezra Bridger and take your place in the coming Empire.なので、
つまりは「2人を殺すことができたら、お前は来たる帝国で一定の地位を得られるから頑張れ」と言っています。
自立を促す卒業試験みたいな言い方ですね。
“一方向”ってベイランに向かってのでしょ?シンちゃんは野心なんかじゃなくって、ただただマスターのために頑張る子だと思ってるので。(多分、ジェダイに救われたヴェントレスみたいな出自だと思ってる)
そう考えると、これから始める危険な行動を前に、愛する弟子に嘘吹いてまで強引に別れたとも見えてくる。
ペリディアの戦い
エズラの「フォースで十分だ」(The Force is my ally.)は 、”For my ally is the Force.”と言ったヨーダさんと一緒。
『反乱者たち』で度々登場した帝国ガンシップ、マンダロリアンシーズン3に引き続き実写登場。
T-6シャトルからベイランへの攻撃。フレアも武器になるか・・・
無計画エズラの降伏トークは笑いました。アナキンと違って特段計画はない。
捨てられた子犬シンちゃん。
シートスで煙幕切らしちゃったのかな・・・ただ走り去る姿が健気でした。。
何にしろアソーカが過去の過ち等々をいったん脇に置いて、ただエズラとの再会を喜んでいるのを見られて良かったです。
考察&注目ポイント
バランス感覚が光るモン・モスマ議長
モスマが議長してましたね。
ルール破りは決して看過しないが、グレーゾーンでも行動が正しければ即断でフォローし、大事なことは個人的に場を設けて確かめる。
この一幕を見るだけで、なぜレイアではなくモスマが議長の役割に最適であったかが理解できます。
今回の対応や小説『ブラッドライン』での行動からも分かる通り、レイアは根っからの反乱者ですが、モスマは“反乱者”でありながら“政治家”の大局も持ち合わせているわけです。
果たしてスローン帰還に際しては、どこまで“反乱者たち”を支援できるのでしょうか?
スローン大提督の戦術
早速スローンに痺れましたね。
全てを解決する“帰還”を第一優先として…
・急なアソーカ出現に対して、時間稼ぎの戦略を取り、
・ベイランが協力すれば勝利できるギリギリの兵力を送り
・ベイランが協力しなければ、恩を売ってしゃしゃり出るモーガンの鼻をへし折る
さすがの冷静さと目的の優先付けの正しさです。
グレート・マザーが「何なりと」スローンに従うのに、なぜモーガンが口答えをやめないのかは不思議でした…。
図らずも、光と闇の長老比較みたいになりました。
最終話に向けて残された謎
マンダロリアンシーズン3に続いてまた思うけど、後1話で終わらんっしょ…。
「スローン大提督の帰還を止められるのか?」が一番のテーマな訳ですが、他にも残る気になる謎を洗い出していきます。
ベイランの真の目的とは?
盛者必衰の世を終わらせたいと語るベイラン。弟子を捨ててまでして、新たな銀河で探し求める“力”とは一体何なのか?
エズラとスローンのペリディア到着後の顛末
エズラは「弱ってた時にノティたちが世話してくれた」とだけ話すが、スローン大提督と共にペリディアに到着した際に何があったのか?なぜスローンを放置しているのか?自分に後ろめたいことがあるから、サビーヌにも踏み込んで聞けないの…?
ペリディアの歴史とは?
ダスミリ魔女帝国が滅んだ理由は?なぜ落ち武者やノティが住み着いているのか?文明がないのになぜ彼らは高度な機器を持っているのか?
オオカミ馬(Howler)の役割とは?
はざまの世界やエンドクレジットに似た形の星図が映し出されるが、彼らとフォースの関係は?サビーヌが仲間にした健気な奴に活躍の時は来るのか?
ロズ・キャットは無事なのか?
ロザルに置いてかれたサビーヌのロズ・キャット。エサ箱を開けることはできたのか?それともサビーヌの面倒くさがりのおかげで汚部屋に住むロズ=ラットを捕食して生き延びているのか?
さいごに
次回、最終話。
今回の文句ポイントは、①ベイラン戦が話の流れ的にも戦術的にも意味が見いだせなかった(アソーカ逃げるなら最初から遠い場所に着陸してすぐ助けに行ってよ…笑)、②なぜかライトセーバー相手に丸腰で突進するもフォースで吹き飛ばされるエズラ、の2点でした。
と思ったけど、②はこのツイート見て大爆笑したのでおっけー。
"The force is my Ally"#Ezra : pic.twitter.com/gjD9NDOklb
— StarWarsOnly (@StarWars0nly) September 27, 2023
コメント
初めてコメントさせて頂きます。
まったくもってあと一話でどうやってそれなりの決着をつけるのやらですね。
私がちょっと気になっているのは、本作はマンドーバース、あるいは反乱者たちの続編としては満足なのですが、ドラマタイトルは「アソーカ」でありアソーカが主役である意味がちと薄いと感じてしまうことです。最終回はアソーカの物語として終わって(あるいは続いて)くれるのかなあ。
余談ですが、7話でベイランと二刀流で対峙したアソーカはまるで「どろろ」の百鬼丸のようでした。オマージュ?
コメントありがとうございます!久しぶりで嬉しいです!
本当に全然終わる気がしませんね…。確かにサビーヌとヘラも結構メインですよね。最終話でアナキンとの訓練を経て、サビーヌとどう向き合うのかに期待です!