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デイブ・フィローニとは?次世代スター・ウォーズを担う新作映画の監督を徹底解説!

新作映画関連
(C)2023 Lucasfilm Ltd.

2023年4月、ルーカスフィルムが新たにスター・ウォーズ映画を3本制作することを発表しました!

 

そのうちの1本を監督するのが、デイブ・フィローニ氏。

世間一般にはほとんど無名な彼ですが、スター・ウォーズファンからすると待望の監督抜擢なのです!!!

 

今回はスター・ウォーズオタクが「デイヴ・フィローニとは誰なのか?」「なぜスター・ウォーズファンに愛されているのか?」を解説していきます。

 

▼新作情報の詳細はこちら

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3分で読める「デイブ・フィローニってどんな人?」

ジョージ・ルーカスの唯一の愛弟子!

「スター・ウォーズ」の生みの親ジョージ・ルーカスは、2005年の『エピソード3/シスの復讐』公開以降のスター・ウォーズシリーズを映画ではなくアニメ作品で製作していくことを決めました。

それに基づき、エピソード2と3の間を描いたアニメ『クローン・ウォーズ』の製作が始まります。

 

ルーカスフィルムにとってアニメ作品を自分たちの手で製作するのは初めてであったため、「総監督」ができる人を探すこととなりました。

そこでスポットライトが当たったのが、人気アニメの監督経験を持ち、生粋のスター・ウォーズオタクでもあったデイブ・フィローニだったのです。

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

 

自ら面接したジョージ・ルーカスが即決OKを出し、『クローン・ウォーズ』シリーズの総監督して採用されます。

以降、フィローニはルーカスから映像作りの神髄をじかに学びながら、総監督としてシリーズを創り上げていきました。

 

デイブ・フィローニの代表作

幼少期から『スター・ウォーズ』や『ゴジラ』などSF作品が好きだったデイヴ・フィローニは、大学卒業後にアニメーターとして仕事を始めます。

数々の作品に携わった後、アニメ『アバター伝説の少年アン』ではエピソード監督、キャラクターデザインなどを担当しました。(製作元のニコロデオンは、『スポンジ・ボブ』などで有名)

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この作品での経験とスター・ウォーズへの愛を買われて、ルーカスフィルムに引き抜かれます。

 

入社後はアニメシリーズ『クローン・ウォーズ』の総監督を担当。

カートゥーンネットワークで2008年から長く放映されてきた同作でしたが、ディズニー社によるルーカスフィルム買収によって、シーズン6で一度打ち切りとなってしまいました。(注:シーズン6はNetflix配信)

『クローン・ウォーズ』はジョージ・ルーカスが携わった最後のスター・ウォーズ作品となります。

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

本作は美しい映像美と深いストーリー性で、“テレビ番組界のアカデミー賞”ともいわれるエミー賞などを多数受賞し、外部からも高い評価を得ました。

 

ディズニーの新体制の下、フィローニはアニメ『反乱者たち』(全4シーズン)、『レジスタンス』を手掛けます。

ですが根強いファンたちの声に応える形で、ついには未完となっていた『クローン・ウォーズ』の最終章となるシーズン7の製作が決まり、2020年に公開されました。

 

少し遡って2019年から公開された実写ドラマ『マンダロリアン』では、フィローニは製作総指揮、エピソード監督、脚本を務めています。

(C)2023 Lucasfilm Ltd.

『マンダロリアン』はディズニープラスの看板作品となり、世界で人気を得ました。

 

数々の実績から社内での昇格も決まり、2020年の夏にはスター・ウォーズ作品全体を統括する立場となります。

そしてついには、映画作品の監督を任せられるまでになったのです。

 

つまりデイヴ・フィローニとは…?

デイブ・フィローニとはジョージ・ルーカスの愛弟子・後継者として次世代スター・ウォーズを創り上げてきた存在なのです。

スター・ウォーズファンの究極の夢を叶えているといってもいいでしょう…。

 

プロフィール

それではここから、細かくデイヴ・フィローニについて探っていきます。

 

Disney+ (ディズニープラス)

基本情報

本名:デイヴィッド・クリストファー・フィローニ(David Christopher Filoni)

誕生日:1974年6月7日(記事公開時点で49歳)

出身地:アメリカ合衆国 ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外のマウント・レバノン

所属:ルーカスフィルム 執行副社長/CCO チーフ・クリエイティブ・オフィサー(EXECUTIVE VICE PRESIDENT / CHIEF CREATIVE OFFICER)

 

▼参照

Dave Filoni - Executive Vice President / Chief Creative Officer | Lucasfilm.com
Dave Filoni is creator, writer and executive producer on the critically acclaimed series Ahsoka (202...
Dave Filoni - Biography - IMDb
Dave Filoni. Producer: The Mandalorian. Dave grew up in Mt. Lebanon, a suburb southwest of Pittsburg...

 

職歴 ~ルーカスフィルム以前~

幼少期から『スター・ウォーズ』や『ゴジラ』といったSF作品(SFの定義は分かれますが…)が好きで、絵を描くのが得意な子供だったデイヴ・フィローニ。

自然とアニメーションの世界を志すようになったそうです。

 

地元ペンシルベニア州のエディンボロ大学に入学し、「応用メディア芸術」(Bachelor of Fine Arts in Applied Media Arts program)を学びました。

16世紀イタリアの画家であるカラヴァッジオ作品を学ぶなどしたそうです。

 

卒業後はロサンゼルスに移り、レイアウト・アーティストや動画マンとして、手書き2Dアニメの仕事に就きました。

初めて関わった有名作品は、コメディアニメの『キング・オブ・ザ・ヒル』だそうです。

フィローニによると、大学で高尚な芸術を学んだ後、ビールを飲む4人の男のアニメを描くという不思議な成り行きであったが、制作スタッフのレベルはとても高く良い経験になったとのこと。

 

ディズニーアニメにも関わり『リロ・アンド・スティッチ』や『キム・ポッシブル』でストーリーボードアーティストを担当しました。

 

その後、ニコロデオンに移籍し、人気アニメとなる『アバター 伝説の少年アン』の第1シーズンを監督します。

日本では知名度があまり高くない作品ですが、アメリカでは数々のアワードを受賞し、実写映画が公開され、実写ドラマシリーズも製作が予定されているほどの人気を誇っています。

 

その頃、ルーカスフィルムでは映画6部作の最後を締めくくる『エピソード3』の後は、アニメシリーズを製作することを決めていました。

2003~2005年に2Dアニメの『スター・ウォーズ クローン大戦』を公開していましたが、制作自体は外注していたので、社内で制作まで行うためには知見のある人材を探す必要があったのです。

 

そういう経緯からアニメ『アバター』の成功が、ルーカスフィルムの目を引きました。

ルーカスフィルムは『アバター』に携わっているスタッフに電話をかけます。

 

電話で「スター・ウォーズの新作アニメシリーズで監督をできる人の候補を探している」と言われたスタッフは、すぐさまデイヴ・フィローニを推薦しました。

監督としての実力はもちろんですが、スター・ウォーズへの理解の深さからフィローニ一択だったそうです。

 

というのも、このスタッフはプリクエルを嫌っていたのですが、フィローニから「そもそも見方が間違っている。ここのシーンは…で、アナキンのあの行動は…」と説明を受けた後に見直したら、プリクエルへの評価がまるっきり変わったという経験をしていたのでした。

 

しかし推薦の経緯を知らされず、突然ルーカスフィルムから面接オファーの電話を受けたフィローニは…

「“ルーカスフィルム アニメーション”なんて存在しないはずでは?」

「僕は2Dアニメが専門なのに、なぜ3Dアニメの監督を頼むんだ?」

と疑いが止まらなくなり、電話自体をドッキリだと思ったとのこと。笑

 

ついには「あなた、本当は誰なんですか?」と聞いてしまい、真面目な回答が返ってきたことで本物の電話だと知って焦り、

逆に「僕なら適任です!プロ・クーンのコスプレもしてるんです!」とファン丸出しなアピールをしてしまったそうです。

 

ハプニングがありつつも、プロデューサーとの面接も通ったフィローニは、ルーカスフィルムの本拠地「スカイウォーカー・ランチ」でのルーカス本人との面接に臨みました。

ルーカスはフィローニのポートフォリオを見た後、「ジェダイとは何か」「フォースはどのようにはたらくものか」「『クローン・ウォーズ』の題材」について話し始めたといいます。

フィローニは「映画を観て自分が持った考えと一致するじゃん!」と思いながら聞いていたそう。

 

面接は無事に終わり「いい経験ができた」と控え室でホッとしていたフィローニでしたが、すぐにプロデューサーから「気に入られたそうです。合格です」と告げられました。

こうして、デイヴ・フィローニの人生は一変したのです。

 

▼参照

Director thrilled to be part of 'Star Wars' force
Mt. Lebanon native Dave Filoni's first
Page Not Found | PennWest
https://screenrant.com/clone-wars-trooper-helmet-avatar-last-airbender-appo/

 

Hulu

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職歴 ~ルーカスフィルム後~

デイヴ・フィローニは、シリーズ全体を監修する総監督としてアニメ『クローン・ウォーズ』に携わりました。

 

ジョージ・ルーカスのアイディアを元に、作品を創り上げていきます。

その過程で、フィローニは“スター・ウォーズの神髄”を学んだのでした。師弟両方の発言を抜粋します。

フィローニ:
「ジョージは僕の学ぶ意欲に応えて、「スター・ウォーズはどう創られるべきか」について指導してくれました。それをできるだけ吸収した上で、まるで試験を受けるかのように各話を製作していきました。僕は学んだ成果を見せ、ジョージはそれを批評して修正する、もしくは改善の仕方を提示する。そういうことを何度も行いました」

George was able to take my willingness to learn and instructed me in all the ways that he thought Star Wars should be done. I was soaking it up and trying to… Each time with the episode, it was like an exam. I would show him what I learned and then he would criticize that and fix it or tell me how to improve it, and then next one and next one.(筆者聞き起こしのため誤りある可能性あり)

 

ジョージ・ルーカス:
「初期に伝えた大事な教えの一つは、私がフランシス・フォード・コッポラから教わったことだったが、“(物語を)書けなければ、監督はできない”ということ。監督の仕事は、映画の“物語”を語ることであって、映画も物語であることには変わりない。物語とは何なのか、どう紡ぐものなのかを分かっていなければ、監督の仕方も分かるわけがない」

I think one of the most important lessons which I gave you in the beginning which was what Francis Coppola taught me, he says “look, you can’t write, you can’t direct.” Because all you’re doing is telling a story on film but the story is still the same. And if you don’t know what the story is, and you don’t know how to write the story, you’re not going to know how to direct it.

 

「スター・ウォーズ」という枠を超えて、ストーリーテリング・映像作品がどうあるべきなのかを伝授していったのですね…。

『クローン・ウォーズ』シリーズも、シーズンを追うごとに映像・ストーリー両方の質がどんどん上がっており、フィローニの成長ぶりが見て取れます。

 

フィローニが担当した実際の役割としては、まず2008年に公開されたアニメ映画『クローン・ウォーズ』で監督を務めます。

その後、毎週カートゥーンネットワークで放映されたアニメの製作においては、監督だけでなく脚本を担当した回もありました。

 

▼参照

 

ディズニー買収以降~現在

続三部作の製作に集中するため、『クローン・ウォーズ』はシーズン6で一度打ち切りとなります。

『クローン・ウォーズ』に貢献した優秀なアニメーションチームの人材を引き留めるため、フィローニはストーリーチームと共に『反乱者たち』のアイデアを提案し、製作を開始したそうです。

 

『反乱者たち』の製作を進める一方、ルーカスからルーカスフィルム社長を任せられたキャスリーン・ケネディに勧められ、フィローニは映画制作の現場を度々見学する機会を得ました。

・『フォースの覚醒』の現場では、J・J・エイブラムスに『反乱者たち』の評判を褒められ、

・『ローグ・ワン』の現場では、『反乱者たち』シーズン3・4において4話分の脚本を担当し、『ローグ・ワン』の原案も担当したゲイリー・ウィッタから、原案の制作過程の話をたっぷりと聞き、

・『最後のジェダイ』の現場では、ライアン・ジョンソンから映画の演出方法について、直接指導を受けました

 

このような経験も経た後の2017年、ついにキャスリーンから実写ドラマシリーズ制作のオファーが来ます。

こうして映画制作の経験も豊富なジョン・ファヴローとタッグを組み、ディズニープラス向けに初のドラマシリーズとなる『マンダロリアン』を制作することになったのでした。

 

打ち切りとなっていた『クローン・ウォーズ』も2018年にシーズン7の復活製作が発表され、2019年11月12日から公開(米国)された『マンダロリアン』に続き、翌年2月21日から配信されました。

▼めったにつぶやかないフィローニ氏

 

その2020年には、フィローニはルーカスフィルムのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターに昇格し、

個別の作品だけでなく、複数の作品にまたがる大きな物語の流れを管理する役割(the complicated role of overseeing both individual series and a larger storyline that weaves together several shows.)を担い始めます。

続けて『マンダロリアン』シーズン2,『ボバ・フェット』、『マンダロリアン』シーズン3と数多くの作品に携わっています。

 

デイヴ・フィローニの次なる挑戦は、ドラマ『アソーカ』での初の全エピソードの脚本担当、そしてこれまでの集大成として新作映画の監督です。

さらに2023年11月には新たに、全作品に対して開発段階から携わるチーフ・クリエイティブ・オフィサー(chief creative officer)に就任したことが発表されました。

Star Wars Undertakes Universe-Shaking Changes After ‘Ahsoka’
Creator Dave Filoni, Rosario Dawson, Hayden Christensen and Natasha Liu Bordizzo discuss how their s...

 

アニメ、実写ドラマ、そして映画へと着実にステップアップしてきた彼の今後に期待しましょう!

 

▼参照

『スター・ウォーズ『マンダロリアン』シーズン1公式アートブック』フィル・ショスタク著/上杉隼人訳(うさぎ出版、2021年)

Gary Whitta | Producer, Director, Writer
Known for: Rogue One: Star Wars Story, Afutâ Âsu, The Walker
‘The Mandalorian’ EP Dave Filoni’s ‘New’ Job at Lucasfilm Isn’t Actually New, but Fans on Twitter Got Excited Anyway
Last summer, Lucasfilm quietly promoted "The Mandalorian" EP Dave Filoni to executive creative direc...

 

チュン・ソロお気に入りの“フィローニの名言”

『エピソード1/ファントム・メナス』のあの名曲ありますよね?

「運命の闘い」です。

 

なぜ「運命の闘い」って名付けられたか知ってますか?

デイヴ・フィローニの解釈を聞くと、あああああああぁ…となること間違いなしです。

このスター・ウォーズへの理解の深さが、ルーカスが即決OK出した理由なのでしょうね。

デイブ・フィローニが語る『運命の闘い』の本当の意味とは? - ミレニアム・パダワン号
いつも通りStar Wars Theoryさんの動画を見ていると、衝撃的な動画に遭遇しました。   スター・ウォーズ観を、こんなにシンプルに、あり得ない程に深くしてくれた言葉は初めてです。   Con

 

また、彼が胸に刻んでいるジョージ・ルーカスの言葉がこちら。

物語に希望を持たせなさい。子どもたちに必要だから

 

デイヴ・フィローニを知るためのキーワード

間に合わなかったので、新たに記事を書きました。(盟友ジョン・ファヴローとの話、オオカミとのつながりや、なぜハットを被ってるかなど)

デイヴ・フィローニを知るための6つのキーワードを解説 - ミレニアム・パダワン号
↑物語が始まる場所、デイヴ・フィローニのスケッチ。   前回の記事 デイブ・フィローニとは?次世代スター・ウォーズを担う新作映画の監督を徹底解説! - ミレニアム・パダワン号2023年4月、ルーカスフ...

 

さいごに

まだまだ一面的ですが、とりあえずデイヴ・フィローニとはどういう人物なのかをまとめてみました。

映画の前にまずは、8月配信開始予定のドラマ『アソーカ』が楽しみですね!

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