2023年3月1日(水)より配信開始となった、スター・ウォーズドラマ『マンダロリアン』のシーズン3。
本記事では、第5話・チャプター22「傭兵」(Guns for Hire)のネタバレ感想&考察をお届けします!
チャプター22、大好き…
はーい、大好物な回が来ましたあああ!
まずはテーマごとに言いたいことをまくしたてていきます。
痒いところを見事に掻いてくれました。
正直、これまでテンポが速くて、ちょっと置いてかれ気味だったのですが、今回はマジで最高でした。
何度噛んでも味がしみ出てくる…。
まずは、クイールを言及してくれてありがとう。有無は言わせん。
そして、ひたすらに表情が良かった。
褒められたアグノートの「おお、そうかな…?」なニヤけ顔。
ディンの加勢で形勢逆転した時に見せたボの表情流れもほんとに最高。
ディンが「俺を倒した敵を彼女が倒した」と説明
→「確かに…その線ならいけるかも」なニヤけ顔
すぐに応じないナイト・アウル一同に対し…
→「どうなの?私もディンの“泉の水”みたいに、ホロレコーダーでも持参して証拠撮影すれば良かった…」な顔
からのアックスが「そうなるな」と認めて…
→「あら、案外チョロいのね」なドヤ顔
ダンク・ファリック!!最高すぎるだろ!!
そして、アグノートの民族性。
もちろん、同じ種族がみんな同じ性格や感情を持つわけではない。
だけど、一定の遺伝的特性で一定の文化の中で育ったら、一定数は類似した気質を持つのでは?
古い友人との付き合いで学んだアグノートとのコミュニケーション術、とかめちゃくちゃ刺さります…。
『バッド・バッチ』でカミーノ種族をただの共感できる人間にしようとした人、反省してください。(言い過ぎました)
それと細かいんだけど、ボを女公爵(Duchess)に会わせるとか、どんな性癖してるんですか???
しかもそのDuchessは、“非武装”の“ドーム式居住区”の統治者だよ。(おまけに邪魔者を追放する月があるところまで一緒!)
もう、お姉ちゃん思い出す要素しかないやん・・・。
しかも、マンダロアの統治者として再起する直前に出会わせるなんて…。
ううう、ほんとにこのエピソードは好きが止まらない・・・
新共和国の“一貫”した素晴らしい方針をご紹介!
帝国考案の全銀河住人の個人情報を一括管理するチェーンコード制度は…OK!
帝国時代のデータ資産の活用は…NG!
帝国で働いていた人の再雇用は…恩赦計画でOK!
その人たちが支配的地位に就いた時、国家の権利である軍隊を保持するのは…NG!
帝国時代のドロイドの再活用は…NG!
マインド・フレイヤーの転用は…OK! そしてどうせ使用対象は元帝国の人たちだから、悪用制限の機能も付けなくても…OK!
ちなみに、コルサント協定は度々出てきてますね。第3話でパーシングの遺伝子研究を禁止してたやつです。
「平和維持区の自衛部隊と接触するには元老院の許可が必要」なのに、プラジール15政府は勝手に許可を出していたので、どれだけ拘束力があるかは怪しいところですが。
マンダロリアン、対照的な2派閥
保守派が革新で、革新派が保守的なのが皮肉。
チルドレン・オブ・ザ・ウォッチは、伝統回帰的で保守派のように見えるのだが、マンダロア勢とは違って孤児受け入れによる拡大政策を取ってきたので、結果的に革新派であり、コンコーディア勢として異端扱いを受ける。
一方でナイト・アウルは、マンダロアの歴史から見ればヘルメット外してOKな現代的文化を持ちながら、代々の血筋を重視する保守的な考え方にこだわる。
そういえばナイト・アウルって、マンダロリアンの血を引かないモールがトップに就いた時に「よそ者にマンダロアは渡さない」と言って分離独立した派閥なので、それが党是みたいなところありましたね…。
あれ、やっぱりこの2派閥の分岐点はそこなの…?
アーマーの色で見ても、カラフルで自由なチルドレン・オブ・ザ・ウォッチに対して、青黒で統一されたナイト・アウル。
第1話で見たようにアーマーを一人一人に新調するチルドレン・オブ・ザ・ウォッチに対し、先祖代々受け継ぐ主流派。
ディンを生粋のマンダロリアンだと認めたボは、まさに2つの道を生きてるんだけど、
今回ダークセーバーの権威に従っただけのナイト・アウルメンバーが、同じ考え方を持つとは思えず。。
先行きが不安!!!
政治の世界に入ってくるじゃん…
プリクエルみを増していく。。
ドゥークー伯爵!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
最近ドゥークーの言及多くて助かる。
マジでEP9予告編で過去作振り返りしたのに、ドゥークーを1秒も出さなかった恨みは消えないからな。このままいい塩梅で出し続けろよ。
そう、プラジール15も外縁部の惑星。
クローン大戦時は公爵夫人の親族支配の下、分離派運動に加わったのでしょう。
クリストファー・ロイド氏、年季の入った素晴らしい頑固爺な役をやってくれました。。泣
「分離主義者」と呼ばれるのが侮辱なの、めちゃ分かる。
共和国からの“分離”は手段であって、コルサントにもっともらしい理由で見捨てられた外縁部同士が手を取り合って、独自の政府を作ろうとしていただけ。
正式名称は「独立星系連合」だぞコラ。
ドゥークーに嵌められただけで、企業連合の腐敗を嫌った議員たちが集まる議場で民主主義していたので、「民主主義を支持する」のも当たり前なんですよ。
おい、ボ=カターン。
お前は「政治なんて」とか吐き捨てるように言ってる場合じゃねえぞ。
姉さんは中立星系評議会の代表として、1500もの星系をまとめてたんだからな??
てか、ボンさんから提示された「国家承認」の話、どれだけ重要か分かってんの?
説明するので、ちゃんと聞くように。…
国家というのは、宣言すれば建国できるような簡単なものではありません。
4条件というものがありまして、、(以下は現実の話です。参照元:『国際法』浅田正彦 著(東信堂))
①明確な領域に、②恒常的な住民がいて、③政府がそれを治めており、④独立して他国と関係を結べる外交能力がなくてはなりません。
これら4要素で国家としての体裁は保てますが、“国際社会のメンバー”となるためには、他の国家から「国家承認」を受ける必要があります。
ただ“メンバー入り”の基準としては、全ての国家から承認を受ける必要はなく、大国含む多数から受けられたらOKという、今回のダークセーバー継承権的な曖昧さ。
銀河に話を戻すと、プラジール15はマンダロアを「主権星系」(主権国家)として公式に認め、新共和国にもそれに倣うよう請願すると言っています。
つまり、銀河社会(国際社会)に復帰するに当たって力強い味方ができたのです!
まあ、クローン大戦に中立の姿勢を取ってはいたものの、元々共和国加盟星系だったので「あんたたちが再建した共和国に属していた」と言えば、認めてくれそうです。
ただ…プラジール15が新共和国に加盟してないので、どこまで話を聞いてくれるかは分からない。
さらに今頃コルサントでは、マンダロリアンが危険勢力として元老院の話題に上がってるかもしれません。
おい、ボンバルディエ。
だから外交は情報戦だし、目先の利益で安易に約束するなとあれほど…
え?
口約束しかしてない?
まあ確かに、形勢悪くなったら知らんぷりする選択肢はあるな。マンダロリアンを敵に回すべきではないと思うが。
ああそうだ。
おい、ボよ。国家間の大事な約束はちゃんと紙に書いて証拠を残すのが肝…
(てか国家奪還!って冒険活劇に国際法の要素混ぜてくるとは思わんやん…)
英語表現に注目してみようのコーナー
I challleng you, one warrior to another.
ボ=カターンが決闘宣言で、アック・ウォーヴスに投げたこのセリフ。
そのまんまTCW S5第15話でモールがプレ・ヴィズラに言い放ったのと同じです。
モールはその後に「最強の者がマンダロリアンの支配者となる」と続けましたが。。
If that isn’t the Quacta calling the Stifling slimy.
ヘルゲイト長官が、ボンバルディエ卿に言い放ったひと言。
これも既出表現。
『ボバ・フェット』の第7話で、酒場から出てきたボバが「腰抜けの殺し屋どもとは交渉などしない」と言ったのに対し、
キャド・ベインが “If that’s not the Quacta calling the Stifling slimy.”(そっちも似たようなもんだろ)と答えています。
元ネタの言い回しは、the pot calling the kettle blackで意味は「ポットがやかんのことをススで黒いと言う」。(ポットもやかんのこと言えないくらいに黒いよってこと)
日本語のことわざなら、「目くそ鼻くそを笑う」が同じ意味ですね。
直訳は「クアクタがスタイフリングをベタベタだと言う」ですが、特にクアクタとスタイフリングは何なのかは描かれてないそうです…。
時系列に細かな感想群
最後にいつも通り、拾った小ネタとひと言感想を。
まだまだ長いっす…。(ここまでお付き合いしてくださっているあなた、ほんとうにありがとうございます。。。)
水性種族のロミジュリ…
クオレン船長のシャガスさん。
水槽完備とははさすがですね。。こういうのいいよ。
ちなみに、ナイト・アウルの船がドッキングする時の音は、EP4でスターデストロイヤーがタナヴィーIVにドッキングした時のとほぼ一緒だったかと。カコーン、カコーンてやつ。
貴族の息子と船長という地位の高い2人が落ちてしまった、かつて争い合った種族をまたぐ禁断の恋。。
惑星モン・カラを飛び出し銀河を舞台にした愛の物語。
ロミオとジュリエット、ウェストサイドストーリー、そしてモン・カラマリとクオレン。。
笑ってしまった。
まあTCW時はモン・カラマリvsクオレンで内戦してたので、今は基本仲良くしているようで良かったですね。
ちなみに、彼は総督の息子ということで、ギアル・アクバーやリー・チャー王の血縁ではなさそう。
ちなみにS1の第3話で、グローグー救出前にディンがカルガから紹介された賞金首が彼でした。
シーズン越しの登場…。細かすぎる。
それにしても、クオレンのゲソによる愛情表現…気持ち悪いけど好き。
プラジール15
ドーム型都市なのが、マンダロアそっくりでした。
周囲の自然環境が違いすぎますが・・・
他には惑星ローディアにもドーム型の居住空間がありましたね。
ヘルゲイト長官が言うドロイドのスクラップ先、カーソンはS2でメイフェルドが働かされていた惑星ですね。
今回、前シーズンからの引っ張りが激しいのよ…。
ディン・ジャリンのドロイド嫌い
まずはディンがドロイド駆除ミッションをどう思うかボに聞かれたシーン。
字幕では、あっさり「最初からそのつもりだ」となっていますが、英語では “You had me at battle droids.”。
超訳すると…
「相手がバトル・ドロイドなら殺るしかないっしょ」
※忠実に訳すと「バトル・ドロイドと聞いた瞬間に俺はもう受けると決めていた」
荷役ドロイドまとめ役のB1が完全にTCWのB1で泣けました。
そんで確かに、ディンはB2に親を殺されてるので、遺恨が消えることはないでしょう。
でも唐突に蹴り始めるのは笑っちゃう・・・・
ボが逃げるB2を撃とうとして、とぼとぼ帰るB2に当たったのに全然平気なの、相変わらずの頑丈さでこれまた笑う。
B2の走り方&逃げ方は、完全にTCWシーズン7第5話でアソーカとトレースの元から逃げて、コルサント地下街を大暴走したドロイドを元にしてますね。
そんでもって、さらなる元ネタはEP2冒頭のアナキン&オビ=ワンのザム追撃。
てか、密輸による毒入り飲み物事件はS3第5話「星を蝕むもの」、ナノ・ドロイドによる破壊工作はS5第17話「爆破犯を追え」なのでめっちゃTCWだった。
追撃中のボ様のジェットパック使いが美しすぎて見とれてしまいました。
ディンも使いこなしまだまだだな、とか思ってたら、なぜかそもそも装着してなかった・・・
ドロイド用バー“抵抗”の登場が、『バッド・バッチ』で再登場したクローン用バー“79”とダイアド組んでた。。
俺たち、まだ使い道あるはずだからさ…(泣)
真相
潤滑油ネペンセに含まれていたナノ・ドロイドは、テクノ・ユニオン製。
『バッド・バッチ』でもテクノ・ユニオンの議員出してきたので、相互作用が激しい。。
初見、ヘルゲイトおじちゃんの意図がいまいち分かんなかった。
でもつまるところ…
長いことプラジール15を守ってきたが、やっと帝国が潰れたと思ったらポッと出の帝国被れが幅を利かせたため、彼が主導するプロジェクトに工作して失脚を狙った、ということかな?
頑固でちょっと妄想に走ってて大事な人には弱いのがとってもおじいちゃんでした。
プラジール15、お前本当に民主主義か?
うん、怪しくない?
初めての選挙で、これまでの支配者の貴族が当選。
外から来た再建監督がその貴族と結婚して、宮廷生活。
犯罪者に対して「はい、あなたはパラクアットの月に追放!」ってその場で刑罰を宣告。公爵夫人には司法権もあるようなので、三権分立してないですね。アウト!
さいごに
いやあ、久しぶりに絶叫しました!!!!!
楽しかったああああ。
これがあるから、途中で見るのやーめたが選択肢に入らないんですよね。
テイルズ、アンドー、バッド・バッチ、マンドーとここ最近は歓喜の舞やー。
お次の第7話感想&考察記事
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