今回は、反乱同盟軍の歴史を振り返っていきます。
新ドラマ『キャシアン・アンドー』直前ということで、黎明期からヤヴィンの戦いに至るまでを網羅します。
参照作品
・アニメ『クローン・ウォーズ』
・小説『カタリスト』
・映画『エピソード3/シスの復讐』
・アニメ『バッドバッチ』
・ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』
・アニメ『反乱者たち』
・映画『ローグ・ワン』
・映画『エピソード4/新たなる希望』
特に2つのポイントに注目していきます。
①結束までの道のり:どうやって一つにまとまることができたのか?
②忍び寄る超兵器の影:全く気付けない反乱軍、常に追い続けてきたソウ・ゲレラ
クローン大戦期 ~反乱の種~
まずは、クローン大戦の時代から振り返ります。
銀河帝国の前身である「共和国」の時代から、反乱精神は少しずつ生まれはじめていました…
”元祖”反乱軍?独立星系連合
”腐敗した共和国”に最初に反旗を翻したと言えるのが”独立星系連合”!
エピソード1~3の悪役側ポジションではありますが、元を正せば共和国が政治で置いてけぼりにしてしまった外縁部の惑星の集まりでした。
「銀河最大の権威へ反抗をする」と言う意味で、後の反乱軍と立場的に地続きといえる運動だった、と私チュン・ソロは考えています。
残念ながら、どの惑星も豊かではなかったため、その実態は経済面で企業連合に資金を依存し、政治的にもドゥークー伯爵(そしてパルパティーン)の操り人形でしたが・・・
共和国内での動き 『エピソード3』※削除シーン含む
反乱軍の萌芽は、崩れ始めていた共和国の内部ですでに誕生していました。
政治的には、次第に権力を増すパルパティーン最高議長に対して、異議を唱えたグループがいたのです。
2000人の議員(The Delegation of 2000)
クローン大戦の終盤に、賛同を表明した”2000人の議員”を代表して、パルパティーンに非常時大権の返還を求めた「2000人の嘆願書」が提出されました。
この動きの中心人物は、パドメ・アミダラ、ベイル・オーガナ、モン・モスマらの元老院議員。
元は最高議長に忠誠(ロイヤルティー)を誓っていた、”ロイヤリスト・コミッティー”に所属している議員たちでした。
ついには、パルパティーンとの直談判まで持ち込むも、「共和国のため、正しいことをしているまでだ」と半ば門前払いされ、成果を得ることはできず・・・
オーダー66の発令、銀河帝国の建設が宣言されると、ベイル・オーガナは表向きでは普通の帝国元老院議員となります。
しかしその裏では、生き残ったジェダイの救出・支援を行いながら、反乱活動を手探りで始めていくのでした。
デス・スター計画
反乱軍が共和国の時代から生まれていたのと同様に、デス・スター計画は既に共和国で動き始めていました。
分離主義陣営がジオノーシアン種族に依頼して超兵器(デス・スターの前身)の設計図を作成しており、それが共和国の特殊兵器部門に渡ると、クローン大戦勝利のために共和国による超兵器開発が水面下で始まっていました。
未完の開発計画は、帝国にそのまま受け継がれていくのでした。
▼詳細はこの記事でまとめています
帝国支配下
帝国の支配が始まり、まずは銀河の各地で反乱分子が生まれていきます。
機を見計らって、ベイル・オーガナ、モン・モスマといったリーダーが表舞台に立ち、反乱組織をまとめ上げていくのでした。
19BBY 最初期の反乱運動の登場『バッドバッチ』
共和国が滅び、帝国が誕生すると、「帝国を受け入れるか否か」という限りなく一択しかない選択を人々は迫られました。
そんな中でも、自由の戦士たちは”NO”を突き付けて、”元祖反乱軍”ともいえる組織を立ち上げます。
惑星オンデロンのソウ・ゲレラ
クローン大戦中、ジェダイ評議会の支援を受けたゲリラ戦術で、分離主義政権を打倒した惑星オンデロン。
しかし、そんなオンデロンにも帝国の支配が広がります。
ソウ・ゲレラは帝国に反旗を翻し、早速帝国から追われる身となりました。
クローンの暗殺部隊も送り込まれますが惑星外への脱出に成功し、誰かと合流していることまでは明らかとなっています。
※『反乱者たち』では、エージェント・カラスから、ソウにはラサットの傭兵がいたことが明かされています。
惑星ライロスのチャム・シンドゥーラ
クローン大戦中、ワット・タンバー率いる分離主義軍に占領されてしまったライロス。
メイス・ウィンドゥ将軍とトワイレックのチャム・シンドゥーラによる合同作戦で、首都奪還に成功し自由を勝ち取りました。
帝国の時代になると、クローン軍による軍事占領が延長され、トワイレックの非武装化が進められます。
また、主に船体の建造に使われる金属ドゥーニウムの精製所が建設されました。(デス・スター建設の資材だったらしい)
当初チャムは、平和を求めて帝国の支配を受け入れましたが、チャムの部下は帝国を警戒してスパイ活動を継続。
その活動に参加してしまった娘ヘラが捕まると、奪還のため帝国軍を攻撃します。
以降、ライロスを拠点とする反乱分子「ライロス解放運動」としての帝国への抵抗運動を始めました。
9BBY 弾圧される者の団結『オビ=ワン・ケノービ』
帝国統治下では、尋問官がジェダイ狩りを行っていました。
ジェダイと同時に、銀河に生まれるフォース感応者も尋問官により迫害に遭いました。
そうした人々を救う組織として、「ヒドゥン・パス」が生まれます。
主目的は迫害されている人たちを安全な場所に逃がすことであり、戦闘などの反乱ではありませんでした。
「パス」は誘拐されたレイア・オーガナを救ったこともあり、ベイル・オーガナの耳に触れることになったのかもしれません。
5~4BBY 結集の始まり『反乱者たち/シーズン1』
『キャシアン・アンドー』のシーズン1は、この1年間を描きます。
この時期になると、銀河の各地で小さな反乱分子がそれぞれ活動していました。
ヘラ・シンドゥーラとジェダイのケイナン・ジャラス率いるゴーストチームも、その一つでした。
ベイルは、こうした分子の中から信頼できる組織とのみ情報提供などの緩いつながりを形成し、反乱活動を続けます。
これは、分子の構成員が捕まって自白してしまい、反乱組織が一網打尽されるリスクを避けるためでした。
反乱軍の力はまだまだでしたが、一方でこの時期はまだ元老院に一定の力がありました。
反乱活動と関係を持っている疑いがある人でも、元老院議員とのコネを持つ人であれば、帝国側も即逮捕はしない程に世論を気にしていたのです。
モン・モスマもこの時期は、政治の舞台を戦場として、ひそかに反乱活動を行っていました。
エズラ・ブリッジャーのスピーチ
潮目が変わってきたのは、ゴーストチームによる惑星ロサルでの活躍でした。
帝国の電波塔を乗っ取ることに成功し、エズラ・ブリッジャーがホロネットで銀河中に反乱のメッセージを発信したのです!
「人生や家族や自由を束縛する帝国に対して、今 立ち上がらないと事態は必ず悪化する。共に立ち上がろう!固く結束すれば、僕らは無敵だ!」
by エズラ・ブリッジャー
反乱活動も勢いに乗ってきたと判断したオーガナ議員は、このタイミングで方向性を転換します。
情報エージェント「フルクラム」として活躍していたアソーカ・タノと共に、信頼できる反乱分子に正体を明かすことにして、より連携を深めた活動を始めたのでした。
4~3BBY 力の蓄え時『反乱者たち/シーズン2』
※『キャシアン・アンドー』シーズン2第1~6話が該当
ゴーストチームも、フェニックス中隊の一員となり、銀河各地でより規模の大きい反乱活動を行い始めます。
各地に散らばる反乱分子とも協力が始まりますが、まだ限定的なレベルに留まりました。
まだ内輪揉めも多く、、惑星ライロスを拠点とするチャム・シンドゥーラ率いる「ライロス解放運動」とも共同ミッション中に仲間割れします。
各惑星で生まれた反乱組織にとっては、自分の惑星・民族が救われることが優先で、反乱軍全体の利益と合わないことも多かったのです…。
最終的には協力してミッションを遂行し、ファイターを格納できる空母クルーザー=キャリアーを手に入れました。
また、ついには基地建設に取り掛かり、惑星アトロンに拠点を作ります。
軍事的に必要だった資源が、徐々に集まってきたのです…。
2BBY 反乱軍誕生!『反乱者たち/シーズン3』
この年から、帝国 VS 反乱軍の本格的な戦闘が起こり始めます!
※『キャシアン・アンドー』シーズン2第7~9話が該当
ジオノーシスの謎
反乱軍本体とは別で活動を続けていたソウ・ゲレラ。
ジオノーシスで惑星地表を調査中に行方不明となり、ゴーストチームが救出作戦を行いました。
ここで、反乱軍はジオノーシアンが帝国によって大量虐殺されたことを知ります。
実は、彼らはデス・スター建設のため強制労働させられていました。
建設中のデス・スターのハイパードライブが完成すると、その存在を隠すために人目の付かない場所に移動され、用無しとなったジオノーシアンらは口封じのために民族単位で抹殺されてしまったのでした。。
しかし、反乱軍はその真相にはたどり着けなかった上、大量虐殺の証拠回収も失敗してしまったため、元老院での帝国攻撃はできませんでした。
ソウ・ゲレラは引き続き、この謎の現象の調査を続けました。
モン・モスマ元議員によるスピーチ
帝国元老院において、正攻法で戦ってきたたモン・モスマ議員も、ついに政治での決着を諦めます。
方針を武力での帝国打倒に切り替え、公然と皇帝を批判した後に元老院を辞任しました。
帝国の追手から何とか逃げ延びた後、銀河中に散らばる反乱組織へ向けて結束のスピーチを行いました。
帝国軍の脅威にも、皇帝の圧力にも屈せず、私は新たな行動を起こします。皆さんと同盟を組み、立ち上がるのです。あなた方と共闘するため、私は議員を辞し、政治の場ではなく前線で戦います。
by モン・モスマ
この呼びかけによって、コマンダー・サトー率いるフェニックス中隊、ドドンナ将軍率いるマッサシグループといった勢力が結集し、
ここに「共和国再建のための同盟」が正式に誕生したのでした。
アトロンの戦い
勢力を終結させた反乱軍は、TIEディフェンダーの工場がある惑星ロサル襲撃を計画します。
しかし、襲撃計画はおろか、反乱軍の拠点まで帝国のスローン大提督に早速バレてしまったのです。
スローンは反乱艦隊の全滅を目論み、アトロンの基地に総攻撃を仕掛けます。
サビーヌ率いるマンダロリアン援軍のおかげで、辛くもゴーストチーム、ドドンナ将軍ら一部は逃げ延びますが、サトーを始めとする人的損失を被り、さらに艦隊は壊滅してしまいます。
反乱軍は失意の中、マッサシグループの基地があったヤヴィン4に拠点を移し、態勢を立て直すことになりました。
1BBY 迫られる決断『反乱者たち/シーズン4』~『ローグ・ワン』
いよいよ帝国との決戦まで秒読みです。
※『キャシアン・アンドー』シーズン2第10~12話が該当
カイバークリスタル輸送事件
ジオノーシス以来、帝国の怪しい動きを追い続けるソウ・ゲレラ。
情報を掴んだソウは帝国の輸送船に潜入し、船内で巨大なカイバークリスタルと大勢の技師が輸送されていることを発見します。
同時にカイバークリスタルが惑星ジェダから積荷を運び出されているという情報も突き止めました。
「得体の知れない超兵器が造られている」と確信したソウは、惑星ジェダへ拠点を移し、輸送の妨害活動を始めます。
ロサルの戦い
再度TIEディフェンダー工場の破壊のため、ゴーストチームがロサル解放を目指して惑星での潜伏を開始します。
ちなみにTIEディフェンダー製造計画も、デス・スター建造のスターダスト計画も、どちらもなかなか完成に至らず、言い訳合戦で予算の取り合いをしていました。
一度、XウィングとYウィングの戦闘機隊で工場の爆撃を試みますが、スローンが指揮する強固な防衛陣の前に失敗。
さらには逃亡の際に、ジェダイのケイナン・ジャラスを失うまでの大敗北を喫しました。
その後「勝利の見込み無し」と判断され、反乱軍本体からの支援は途絶えますが、エズラ・ブリッジャーがロザル解放を目的に計画を続行。
最終的には、帝国の総司令ドームを破壊し、史上初となる「帝国占領下にあった星の解放」に成功しました。
ちなみに、その後、帝国の攻撃はなかったという後日談がありますが、帝国はデス・スター完成後に消せばいいと判断していたのだと思います。。
破壊されてしまったので、気付いた頃には通常兵力で取り返すにはコスパが悪すぎたのでしょう。
絶望の中で生き続けた希望『ローグ・ワン』
その後は『ローグ・ワン』で描かれた通りです。
反乱軍はキャシアン・アンドーによるスパイ活動で、ソウ・ゲレラがとっくにジェダで妨害活動をしていた「惑星殺しの超兵器建造計画」の存在を知ります。
また、その計画の中心人物ゲイレン・アーソからの密使がソウ・ゲレラに送られたことを掴み、娘のジン・アーソを拉致して、ソウとの接触を試みました。
しかし、既に完成していたデス・スターによってジェダ・シティは壊滅、そのせいでメッセージはジンしか見ることができないまま宇宙の藻屑と化してしまいます。
代わりにゲイレンを拉致して、元老院の証言台に立たせようとするも、過激派のドレイヴン将軍による爆撃作戦によって誤ってゲイレンを殺してしまい失敗。
総司令に戻ってきた、ジンがメッセージに従って「デス・スターの設計図を分析すれば、弱点を見つけることができる」と主張しますが、デス・スターの威力を恐れた反乱軍評議会は何の決定も下せませんでした。
そんな中、ソウの意志の固さと、ゲイレンの想いを抱えたジンは、有志を募って独自に行動を起こし、新部隊”ローグ・ワン”を急造し設計図を保管している惑星スカリフに潜入。
評議会で好戦派であったラダス提督も艦隊を率いてそれに続き、スカリフの戦いが勃発しました。
設計図を何とか奪取することには成功。
一方でデス・スターが完成したため、銀河市民の機嫌を取る必要はなくなり、元老院は解散させられます。
迫り来る”恐怖による支配”の時代を前に、30機のファイターがデス・スターに立ち向かうのでした。
最後に
改めて振り返ると、
反乱軍は、常にデス・スター完成というタイムリミットがある中で戦ってきたこと、
パルパティーンは、いつも目前の戦いより一つ上の次元で戦略を進めていたこと、(クローン大戦を目くらましにオーダー66、銀河内戦を目くらましにデス・スターの建造)
そして、個人的な話ですが当初は正直微妙な感想を抱いていた『反乱者たち』や『バッドバッチ』で、その戦いを見事に描いていたことを実感するのでした。
そこに『キャシアン・アンドー』が加わるとなると、どこまで深みを描くのか楽しみでしょうがないです!
『キャシアン・アンドー』については、感想・考察記事を毎週アップできればと思っているので、良かったらご確認ください。
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