この記事では、黙々とオーダー66(クローン・プロトコル66)関連の「陰謀の歴史」を振り返ります。
以下の作品で明らかになっている事実を、時系列で確認していきます。
・エピソード2/クローンの攻撃
・アニメシリーズ クローン・ウォーズ:シーズン1~6
・エピソード3/シスの復讐
・アニメシリーズ 反乱者たち
※小説 Dooku: Jedi Lost(未読のためWookieepedia参照)
小説など、全ての原典を追えていないのと、権謀術数で何が真実かあいまいなテーマであるというのが正直なところです。
万全を期していますが、間違いなどあれば指摘いただけると助かります。。
▼この経緯から導き出されるのがこれ

クローン大戦以前
①ナブー危機

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ダース・シディアスによるジェダイ掃討作戦の幕開け。。
時は32BBY。
企業連合体である“通商連合”が、自由貿易ゾーンへの課税に抗議して惑星ナブーを封鎖、ついには侵略を開始します。
元老院の腐敗で何もできない現職議長への不信任決議を受け、「母星の危機に立ち向かう清廉潔白な強いリーダー」を演じたパルパティーン元老院議員は見事、最高議長に選ばれました。
長い下積み時代を経て、さっそく銀河共和国側のトップの実権を得るのでした。
しかし、ジェダイとの戦闘へ向かわせた弟子ダース・モールを失うことになります。。
②ドゥークーのシスとの接触
一方、ジェダイマスター・ドゥークーは、ナブー危機以前にジェダイ・オーダーを去り、
新たに惑星セレノーの公爵として暮らしていました。
しかしナブー危機後のある時、新たな弟子を探していたシスの暗黒卿ダース・シディアスからの勧誘を受け、その弟子ダース・ティラナスとなります。

伯爵改めダース・ティラナス StarWars.com | The Official Star Wars Website
こうして、元ジェダイの手駒を手に入れたシディアスによる打倒ジェダイ、打倒共和国に向けた計画の準備が着々と始まるのでした。。
③サイフォ=ディアスによるクローン軍発注
軍隊創設の提案
そんなドゥークーと親しい仲にあったサイフォ=ディアスは、ナブー危機以前までジェダイ評議員を務めたジェダイマスターでした。
サイフォ=ディアスは、近い将来、共和国が大きな戦いに巻き込まれることを予見し、評議会で「共和国のための軍隊創設」を提案します。
※この予見が、サイフォ=ディアスのフォースによるものか、はたまたシスによる悪夢かは謎。。
しかし、「シスは絶滅した」が定説のジェダイたちに提案を一蹴され、「過激思想の持ち主」として評議員の座を剥奪されてしまいました。
カミーノアンへの発注
不満を燻ぶらせていたサイフォ=ディアス。
この後、旧友ドゥークーに高いクローン技術を持つカミーノを紹介され、共和国のための軍隊を発注します。
この時、「銀河共和国元老院とジェダイ評議会の合意を得ている」とカミーノ側へ言いましたが、誰の許可もない独断の行動でした。。
恐らくこの時に「ジェダイ・アーカイブのデータベースから惑星カミーノの記録を削除しろ」という指示がドゥークーから出されていたのだと思います。
④サイフォ=ディアス暗殺
オバ・ダイアへの任務

ロム・パイク StarWars.com | The Official Star Wars Website
おそらく軍隊発注のすぐ後…
サイフォ=ディアスは最高議長ヴァローラムの依頼で、犯罪組織パイク・シンジケートとの秘密交渉を任せられ、
議長の補佐官シルマンと共に、パイクの本拠地である惑星オバ・ダイアへと向かいます。
「犯罪組織と交渉した(=相手の言い分も飲むかもしれない)」ということが世間に知られては困るので、この任務の存在はジェダイ評議会にすら知らされませんでした。
ですが、オバ・ダイアに到着してすぐに、
何も知らない評議会からサイフォ=ディアスへ、「惑星フェルーシアでの部族紛争の調停任務へ行ってくれ」と新たな任務を命じられてしまいます。。
パイクとの秘密任務を知られてはいけないため、
サイフォ=ディアスは止む無くパイクとの交渉を即座に打ち切り、シルマンと共にフェルーシアへ向かうことにしました。
シャトル撃墜

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T-6 77519シャトルで、オバ・ダイアを出発した2人。
しかし、パイク・シンジケートにはダース・ティラナス魔の手が既に回っていました。
ティラナスの命令によりパイクは、サイフォ=ディアスの船を撃墜。
シャトルは、オバ・ダイアの月に墜落し、
サイフォ=ディアスは死亡しましたが、シルマンは墜落を生き延びました。
死体の回収と隠された存在
パイクは暗殺の証拠として、月で回収したサイフォ=ディアスの遺体をティラナスに渡します。
しかし、シルマンの存在は知らせず、オバ・ダイアの地下牢に幽閉しました。
ティラナスは帳尻合わせのため、サイフォ=ディアスの遺体を惑星フェルーシアの住民に渡し、彼らは遺体を火葬しました。
サイフォ=ディアスが死んだことは、ジェダイ評議会も知ることとなりましたが、「もともと犯罪組織との秘密交渉に行っていた」ということはバレてはいけないので、
任務を依頼したヴァローラム最高議長の権限により、「フェルーシアでの任務で死亡」という以外に詳しい調査などもせず、事件の詳細をお蔵入りとしてしまったのです。。
⑤シスによるクローン軍の乗っ取り
サイフォ=ディアスの死により、共和国で製造中のクローン軍の存在を知る者はいなくなりました。(パルパティーン以外)
ここから、シスはクローン軍を改造するために動き始めます。
バイオチップの挿入
まずは、「いざという時にクローン軍が思い通りに動かせる」状態にする必要があります。
そのためシスは、全てのクローン兵に対して胎児の状態の時に「バイオチップ」を埋め込むよう、カミーノアンに指示しました。
これによりオーダー66が発令されると、
クローン兵の脳神経が麻痺されて「ジェダイを共和国の反逆者である」と認識して襲い掛かる仕組みができあがったのです。
クローンテンプレートの決定

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次に、クローン兵の元となる遺伝子提供者として、ジャンゴ・フェットを雇います。
“銀河一の腕”とも言われた賞金稼ぎのジャンゴに、声が掛けられました。
こうして、将来ジェダイを粛清するための、従順で優秀な兵士の大量製造が密かに始まったのでした。。
クローン大戦
⑥分離主義運動の高まり
コア・ワールド vs アウターリム
軍隊を使うには、「戦う敵」が必要です…。
1000年の平和を保ってきた銀河共和国でしたが、その”ひずみ”は気付かないうちに拡大していました。
元老院では、大きく2つの勢力の間で対立が起こり始めていたのです。
●コア・ワールドの惑星:銀河の中心に位置し、治安が良く、経済が進んでいる星が多い。未発展の外縁部惑星が入ってくると、その支援で負担金を支払う必要が発生するため好ましく思ってない。
●外縁部の惑星:銀河の端っこに位置するため、無法地帯、途上経済な星も多い。共和国に加盟すると税金など取られるため、より多くの支援・補助金が欲しい。
つまり、アウターリムの星系が加盟・支援を要請すると、まず負担をするのはコアメンバーという訳です。
すると力の強いコア・ワールドの惑星らは、「銀河全体」ではなく「自分の惑星の利益」を第一優先にして政策を決めるようになっていきます。
結果として、共和国に加盟するは良いも、外縁部の星系らは放っておかれて、さびれていく一方なのでした。
不満をすくい上げるカリスマの登場
そんな鬱憤を抱えていた星々に救世主が現れます。
それこそが、ドゥークー伯爵!
彼は圧倒的なカリスマ性を以って、
「腐って不公平な”銀河共和国”から、新たに結成する”独立星系連合(Confederacy of Independent Systems)”に乗り換えて、素晴らしい銀河を共に作ろうじゃないか!」と呼びかけます。
結果として、銀河外縁部を中心に多くの星系が共和国を離脱してCISに加盟。
“分離主義運動“が盛んとなるのでした。
⑦クローン戦争勃発
クローン軍の発見
時は進んで22BBY。
共和国とCISの緊張は高まるばかり。。
元老院では、「共和国を守る軍隊を創設すべきか」を検討するまでになっていました。
1000年の間、軍隊を持たずにジェダイのみで平和を保ってきた歴史があるので、議員たちもかなり慎重に審議します。
そんな中、軍隊創設反対派のリーダー的な存在アミダラ議員の命が、謎の賞金稼ぎに狙われます。

海洋惑星カミーノ StarWars.com | The Official Star Wars Website
ジェダイのオビ=ワン・ケノービは賞金稼ぎの正体を探る過程で、惑星カミーノを訪問し、クローン軍の存在を知るのでした。
非常事態大権の採択<考えぬ者の成れの果て…>
さらに、オビ=ワンはその賞金稼ぎがジャンゴ・フェットという名前で、「ボグデンの月でティラナスという男から雇われて遺伝子提供者になった」と知ります。
身柄を確保しようとしますが、逃げる彼を惑星ジオノーシスまで追うことに。
なんとそこでは、ドゥークー伯爵率いる独立星系連合のドロイド軍隊創設の瞬間を目の当たりにするのでした。
評議会にその事実を知らせる途中で、オビ=ワンはあえなくジオノージアンらの捕虜となってしまいます。
共和国は、強大なドロイド軍隊への対抗と捕虜の救出を理由に、軍隊創設を急ぎます。
しかし1000年の非武装のタブーは重く、誰も責任を負いたくないため事が進まず。。
そこで、ついに最高議長に唆された代議士ジャー・ジャー・ビンクスが、最高議長への”非常事態大権”を与えることを提案したのでした。。

非常事態特権を提案するビンクス代議士 StarWars.com | The Official Star Wars Website
動議は満場一致で可決され、正当な権限を得たパルパティーンは、即座に共和国グランド・アーミーの創設を決めるのでした。
第一次ジオノーシスの戦い<開戦>
軍隊創設が決まると、メイス・ウィンドゥは千のジェダイを引き連れてジオノーシスへと急行、ヨーダはカミーノへと赴きました。
ペトラナキアリーナでオビ=ワンを始めとする3人の処刑が執行される寸前で、
ウィンドゥ率いるジェダイ騎士団が、遅れてヨーダ率いるクローン軍が到着しドロイド軍に応戦。

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ここからは、ドロイド軍VSクローン軍の全面泥沼戦争「クローン大戦(The Clone War)」が始まるのでした。
⑧クローンによるジェダイ殺害事件
リンゴ・ヴィンダの悲劇
クローン大戦が続く中、不可思議な事件が起こります。

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リンゴ・ヴィンダの戦いの最中、スカイウォーカー将軍率いる501大隊の兵士タップが、ジェダイのティプラー将軍を射殺したのです。
母星カミーノにて原因を調べる途中、タップの親友ファイブスが独自に不具合を起こしたバイオチップを発見します。
しかし、専門の医療科学者ナラ・セからは「攻撃性を抑制するためのチップだ」と説明されますが、それを信じないファイブスは最高議長に直訴しに行くことに。。
悲劇の真相
実は、カミーノ側は事件の真相を知っていて、あえてジェダイから隠していたのです!
ナラ・セとカミーノ首相ラマ・スーはドゥークー伯爵に、「オーダー66が誤作動した」と報告していました。
一方、ファイブスは最高位議長にチップの真相について話すため、シャアク・ティ、ナラ・セと共にコルサントに到着。
しかし突然、パルパティーンから2人きりで話すことを提案されると、なんとオーダー66の陰謀を打ち明けられるのです。
「ジェダイ、そして兄弟を裏切る陰謀」を知ったファイブスは怒り狂い、パルパティーンを殺そうと襲い掛かりました。

自らの頭の中にもあったチップの存在を主張するファイブス StarWars.com | The Official Star Wars Website
陰謀の存在など知らぬ他人の目から見れば、ファイブスが異常な暗殺者です。。
必死に逃げて「最高議長まで関わっているジェダイ抹殺のための陰謀」を、アナキン、レックスに伝えますが、最高議長暗殺未遂の危険人物として射殺されてしまいました。
事件の幕引き
共和国の研究所で再検査された結果、タップによるティプラー暗殺の原因は「リンゴ・ヴィンダ原産の寄生虫による誤作動」だと報告されます。
基本的に共和国の機関は、非常事態大権の下で最高議長の息がかかっているはずです。
不具合を起こした抑制チップは、ジェダイ評議会が確認する間もなく、
パルパティーン、カミーノアンの手を通じて、ダース・ティラナスの下へ届けられるのでした。
ファイブスの頭の中のみにあった事件の真相は闇の中へ。。
⑨ジェダイ・オーダーによるサイフォ=ディアスの調査
謎の救難信号
クローン大戦の終盤、ジェダイ評議会は突如として発信された旧式のジェダイ救難信号を受信します。

サイフォ=ディアスのセーバーを発見したプロ・クーン StarWars.com | The Official Star Wars Website
マスター プロ・クーンを捜索に出したところ、
発信源は惑星オバ・ダイアの月で、そこには約10年前に死んだサイフォ=ディアスが乗っていたT-6シャトルが墜落した残骸が残っていました。
評議会は急遽、サイフォ=ディアスの死の真相を探り始めますが、
ジェダイ・アーカイブの記録では、「惑星フェルーシアでの和平調停任務にて死亡」以上の情報は、最高議長権限で機密事項となっていました。
そこで、ヨーダは当時の最高議長ヴァローラムの下へ、オビ=ワンとアナキンがフェルーシアへ向かいます。
パイクの取引
ヨーダはヴァローラムから、サイフォ=ディアスを自分の補佐官シルマンと共に、秘密任務でパイクとの交渉へ向かわせたことを聞きます。
一方、オビ=ワンがフェルーシアの原住民と話したところ、
サイフォ=ディアスの遺体は火葬されていること、2人目のジェダイと思われる人物がいたことの2つの手がかりを得ました。
次にオビ=ワンとアナキンは、サイフォ=ディアスとシルマンが行ったであろうパイクの本拠地オバ・ダイアへと向かいます。

シルマン StarWars.com | The Official Star Wars Website
2人のジェダイを迎えたパイクシンジゲートの首領ロム・パイクは、
ティラナスを名乗る男と手を組みサイフォ=ディアスのシャトルを撃墜したことを認め、真相を知るシルマンの身柄を渡すことでチャラにしないかと持ち掛けてきました。
オビ=ワンらはシルマンに会うこととします。
ティラナスの正体と沈黙のジェダイ
シルマンから、「サイフォ=ディアスを暗殺して、彼になり代わりたかった存在がいる」と明かされますが、、
そこにドゥークー伯爵が到着、シルマンをフォースチョークで殺して口封じしてしまいます。
ジェダイ側に手を貸したロム・パイクが、ドゥークー伯爵を「ティラナス」と呼んだことにより、
オビ=ワンは、クローンの遺伝子提供者を雇ったのがドゥークー伯爵であったことを知るのでした。
これでジェダイ評議会は、自らの下で戦うクローン軍がシスによって作り出されたものだと結論付けます。
しかし、銀河市民の戦意、そしてジェダイへの信頼を喪失してしまうとして、事の真相を隠し通すことに決めました。
コルサントの街頭ビジョンを見れば分かりますが、
最高議長自らが「ジェダイがクローン大戦を始めたという噂を信じてはいけません」と市民に否定(実は煽り?)を呼びかける必要が出るほどに、ジェダイ不信論が高まっていたのです。
その不信論の内容とは、
「分離主義運動の先鋒ドゥークー伯爵が元ジェダイであり、ジェダイ同士で見せかけの戦争を起こして、権力を得ようとしている」という陰謀論。。
それに屈してジェダイは真実を隠し、シスの手中にあることを知りながら、やむなく戦争継続の道を選ぶのでした。。
大戦終結
オーダー66が発令されると、銀河全体でクローンがジェダイを殺害、
ジェダイ・テンプルに残っていた者たちは、ダース・ベイダーと501大隊によって惨殺されるのでした。
ファイブスによって真相を知らされたクローン兵レックスはチップの除去に成功。
同じくチップを取り除いたウォルフ、グレガーと共に行動し、後には元ジェダイ ケイナン・ジャラスと反乱軍に加わりました。
※本部分の詳細については、ディズニープラスで配信中の『クローン・ウォーズ/シーズン7』で明かされると思います。
さいごに
オーダー66関連の事実を時系列にまとめました。
一覧にしてまとめることで改めて、
非常事態大権の提案がジャー・ジャーにしかできなかったとか、
実権の無かったヴァローラムは無いなりに、度々機密任務で対応していたとか、
といった政治の都合をひしひしと感じますね。。。
チュン・ソロは、スター・ウォーズが政治サスペンス傑作でもあることを再確認するのでした。

そして、手駒でしかなかったトルーパーたちに人間ドラマを描いた『クローン・ウォーズ』が大好きなのは変わらず。笑

それでは次に会う時まで、May the Force be with you…
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