『クローン・ウォーズ』の何がすごいかって…?
普通の作品なら画面の隅でただ死んでいく末端兵士たちに、ドラマを描いたとこだよ!!!
それも顔も形も完全に同じの「クローン」の兵士にな!!!
てな訳で、今回はクローン・ウォーズの名言、そしてクローン・トルーパーの生き様について、チュン・ソロが語ります。
※私チュン・ソロ、『クローン・ウォーズ』愛してやまないので、記事全体を通してネタバレ多く、鼻息荒くなっております。予めご了承ください。
クローン・トルーパーとは?
「クローン・トルーパー」とは、共和国の戦争のためにクローン技術で作られた人間の兵士のことです。みんな同じ顔、同じ体。
ですので、それぞれにナンバーが付けられて、識別されます。
故郷は惑星カミーノ
彼らの故郷は海洋惑星カミーノ。
原住民でシルバー色の肌と細長い首が特徴的なカミーノアンによって製造されました。
彼らは優れたクローン技術を持っており、その腕は銀河一と言われるほど。
ジャンゴ・フェットの遺伝子を受け継ぐ
クローンということは、誰かの遺伝子をコピーしているということです。
遺伝子のテンプレートは、賞金稼ぎジャンゴ・フェット。
クローン・トルーパーたちは、銀河でも有数の賞金稼ぎから、「戦士の血」を引き継ぎました!
初期の「フェーズⅠ」ヘルメットは、ジャンゴのものにかなり近くなっていますね。
また、トルーパーたちには遺伝子操作が施されています。
・成長加速処理:普通の2倍のスピードで歳を取る→速いスピードで大量生産が可能
・従順さの追加:命令に従いやすい性質を持つ→上司となるジェダイの言うことを聞く
※抑制チップ:特定の命令を受けた際に、強制的に一定の行動を取らせる→パルパティーンによるオーダー66発令時に使用される
一方で、ジャンゴと全く同じ遺伝子を持って生まれたのが、ボバ・フェットです。
ジャンゴはボグデンの月でダース・ティラナス(ドゥークー伯爵)に雇われ、クローン軍の遺伝子提供者となることにしました。
その見返りに多額の金と、遺伝子操作を施さない純粋なクローンを要求します。
これが後のボバ・フェットとなるわけです。
クローンたちを象徴する名言たち
従順で大量生産される、なんとも無個性なクローンたちですが、彼らの上司、将軍となる「ジェダイ」との出会いにより、様々なアイデンティティを確立させていくのでした。
カミーノでの格言
「見ろ。俺たちは一つだ。同じ心を持ち、同じ血が流れている。」
by ファイブス
(S3 EP2)
彼らの故郷カミーノが、分離主義者の攻撃に遭った際、ファイブスが若い候補生、現役の兵士たちに向かってかけた言葉です。
これぞ、クローン軍の根底に流れている強さ!
ドロイドのような機械では作り出せない「団結力」です。
クローンはお互いのことを、”brother” つまり「兄弟」と呼び合います。
もちろん、階級はありますが、同じ血の流れる者としての強い結び付きがありました。
やはりクローンであっても人間。
このような強い感情によって、自らを奮い立たせ、戦場に立つ恐怖を押しのける必要があったのでしょう。。
ヨーダの名言とクローンの個性
CC-4477:
「ヘルメットを取ったところで、見るものはありませんよ。我々は全員同じ顔なのですから…。」
ヨーダ:
「目に欺かれてはならぬぞ。フォースを通じて見れば、ひとりひとり全く違っておるのじゃ。」
(S1 EP1)
『クローン・ウォーズ』の始まりとなる物語、シーズン1の第一作目で、ヨーダはトイダリアの王との共和国加盟交渉に赴きます。
しかし、アサージ・ヴェントレスの罠に嵌り、わずか3人のクローン兵と王のいる場所を目指すことに。
上の言葉は、途中小さな洞窟で傷を癒している際、クローン兵らにヨーダが言ったものです。
ジェダイ、特にヨーダはトルーパーを「消費する兵士」としてではなく、一人の人間として見ていました。
だからこそ、この時も3人のクローンを「サイア」「ジェック」「リース」と名前で呼び、それぞれにアドバイスを与えました。
言われた当初の3人は、「この緑色の小さなジェダイ様は何を言ってるのやら」という反応でした。
しかし、その後の戦闘で、実はヨーダの言葉が自身の気持ち、考えを言い当てていたことに気付きます。
ジェダイとの接触は、クローンにとって自分の個性を見つける機会となったのです。
クローンへの裏切り
「わしは、研究所で生まれた下等なクリーチャーなんぞにやられんわ。」
by ポング・クレル (S4 EP10)
一方、クローンを見下すジェダイも中にはいました。
ジェダイマスターのポン・クレル将軍は大戦中、大きな戦績を上げた将軍でしたが、どの作戦も多大な兵士の犠牲を払って得た勝利でした。
惑星ウンバラを攻略中の、キャプテンのレックス率いる501大隊は、クレル将軍の指揮下に入ることとなります。
クローンたちの意見を全く聞かず、ただの「正面突破」などの無謀な作戦を強行させるクレル。
我慢できなくなった同じ501大隊のファイブスらは、独自の作戦を立てて見事に苦境を脱します。
作戦は上手くいきましたが、「命令に従わなかった兵士を見せしめにする」という理由でクレルはファイブスらの処刑を命じます。
レックス:
「俺らは命令に従う義務がある兵士だ。必要となれば、勝利のために犠牲となる。」
ファイブス:
「お前は本当にそうだと信じてるのか?それか、そう考えるように設計されてんのか?」
(S4 EP10)
命令に従い、戦場で散るために製造されたクローン兵。
自分、そして兄弟らが理不尽な目に遭うことで、「自身で選択する」ことを学んでいくのです。
マジで、「クローン・ウォーズ」シーズン4の『ウンバラの戦い』の一連のエピソードは、クローンたちの生き様にグッとくる。。。そして結末が恐ろしい。
何のために生きているのか…?
ファイブス:
「やりました。ウンバラを征しました。」
レックス:(犠牲者が運ばれるのを見て)
「一体、この戦争は何のためなんだ…。何のために…。」
ファイブス:
「分かりません。誰も答えを持ってませんが、いつかこの戦争が終わることは私にも確かです。」
レックス:
「で、その後はどうなる?俺らは兵士だ。戦争が終われば、俺らはどうなる?」
(S4 EP10)
同じくエピソードで、ウンバラの戦いに勝利した後の会話から。
口には出さずとも心の奥底にいつも抱えていた疑問を話すレックス。
印象的なのは、「なぜ?」という問いが湧き出ていること。
「何のために戦うのか?」
そして….
「何のために生きているのか?」
別のエピソードですが、
金のために共和国軍を裏切ったクローン兵スリックの一言も、真実を突いているからこそ、ドキッとさせられます。
「俺の兄弟たちを奴隷として、こき使ってるのはお前らジェダイだ。俺たちは、お前らの命令に従い、思った通りに動く。俺は金以上のもの、『自由』が欲しかっただけだ。」
by スリック
(S1 EP16)
客観的に見れば、その通り。
共和国の誰しも自分が戦って傷つきたくないから、工場で「人殺し用」の兵士を製造した。
大量に生産し、死んで足りなくなったら、また作って戦場に投入する。
(ネタバレとなりますが…)
ファイブスが死ぬ直前に残した言葉が心に刺さります。。
「任務が…悪夢が…ついに終わる」
by ファイブス
(S6 EP4)
人生を悪夢と表現したファイブス。
これは、社会に、遺伝子に、そして運命に翻弄され続けた彼の生き様から出た言葉だったとチュン・ソロは思っています。
クローン大戦は、基本的に「クローン軍」対「ドロイド軍」の戦い、つまり戦うためだけに造られたもの同士による戦争でした。
ドロイドは血肉を持ちませんが、クローンの兵士たちは見たこともない銀河市民のために、苦しみ死んでいきました。
『クローン・ウォーズ』は、その死にゆく兵士一人一人の世界の見方に焦点を当てたのです。
実際にどんな経験を経て、彼がこの言葉に行き着いたかは、ご自分の目でお確かめを。。
▼クローン・ウォーズ シーズン1~5のBlu-rayセットです。
後から制作されて、さらにアニメなんだけど、スターウォーズをここまで奥深くするか、と驚嘆させる作品です。
チュン・ソロは、クローン・ウォーズ大好き。
まとめ
やっぱり特に好きな作品だと力が入っちゃいますね。。
現代社会に生きる我々の心に、強いメッセージが響きます。(ありがちなやつだが。。)
扱いきれなかった作品や名言まだまだあるんですけど、とりあえずはこのへんで。
それでは次に会う時まで、May the Force be with you….