Disney+ (ディズニープラス)で配信が始まった、『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』。
毎エピソード、新キャラクターやストーリーに登場した過去ネタを解説していきます!
今回は第3話、THE STREETS OF MOS ESPA(モス・エスパの町)。
ついに物語の全容が明らかに・・・
▼前回第2話はこちら!
以下『ボバ・フェット』本編のネタバレあり!!
物語の流れと感想<ネタバレあり>
過去篇:ボバ・フェットを突き動かすもの
これまで「なぜ復活したボバは不慣れな犯罪シンジケート運営を始めたいのか?」がずっと謎でした。
今回、やっとその謎の答えとなる原体験が明かされました…!
サンドピープルたちを襲撃していた、パイクの列車を撃退したボバ。
以降は通行料を払うことと引き換えに、乗員の命は見逃してやることにします。
しかし、パイクを襲う前にスピーダーを奪ったニクト族の「キンタン・ストライダー」が元々通行料の代わりにパイクに安全を提供していたのです。
既に恨みを買っていた上、パイクからの通行料を奪われては堪らないのため、ボバ不在のうちにタスケンキャンプは襲撃されてしまいました。
命を救ってくれたサンドピープルの一族が皆殺しに遭ったのです…。
多くを語らずとも、この事件がその後のボバの生き方を決定付けたと言っても過言ではないでしょう。
現在篇:犯罪シンジケート戦争
タトゥイーンの権力状況
現在篇は、拷問兼執事ドロイド8D8からの権力構造の説明から始まりました。
彼によると、なんとビブ・フォーチュナは、ハットから独立して支配を行えていたようです。。
モス・エスパの3大ファミリーとの同盟を組んだ上で、市長のモク・シェイーズに貢いで権力を保っていました。
3大ファミリーは…
第一に、モス・エスパ街の中心部と経済区(劇中グレー箇所)を支配するトランドーシャン・ファミリー。
そういえば、市長の元へ行く道にはトランドーシャンたちが、うようよといましたね。
第1話では首領ドク・トラッシがボバへの謁見に来ていました。
第二に、アクアリッシュ・ファミリー。
初登場時は何言ってるか分かりませんでしたが、労働者居住区(劇中ブルー箇所)を治めていることが明らかとなりました。
最後にクラトゥイニアンのファミリーです。
宇宙港と台地(劇中グリーン箇所)を支配しているようです。
その後、水売りのローサ・ピールからの嘆願を聞き入れ、ギャングと接触。
ギャングらは失業者、水が法外な値段で売られていたことを知ったボバは、水売りにおそらく適正価格分の補償をし、ギャングを雇いました。
これは皆が利する、結構賢い判断だったのではないでしょうか?
襲撃と和解
バクタタンクで眠るボバを、ハットの「双子」からの刺客ブラック・クルルサンタンが襲います。
しかし、ガモーリアンと新しく仲間にしたギャングの助けもあり、地下牢に閉じ込めることに成功。
その後、「双子」が宮殿に来て謝罪し、タトゥイーンから出ていくことを約束するのでした。
チュン・ソロの考察
いやあ、陰謀渦巻く戦争の始まりです。。
ハットの動きの意図とは・・・?
暗殺者を送り込んだかと思えば、謝罪してあっさりと出ていった双子ハット。
一回目観た時は拍子抜けさせられたのですが、よーく考えるとこれ、かなりしたたかなハットによる判断だったのだな、と思いました。
ハットの行動指針を読み解くカギは、常に最大利益の確保です。
この問いを考えるに当たってまず、ビブ・フォーチュナによる同盟は、ハットを退けられていたのか?という前提を振り返りましょう。
答えは、「はい」であり「いいえ」でもあります。
ジャバ亡き後とはいえ、モス・エスパ拠点の小さなファミリーの寄せ集めに対し、ハット・ファミリーが手をこまねいて放っておく訳がありません。
8D8の解説によると、ビブはパイクとつながるモク・シェイーズに貢物をしていたようです。
つまり、経緯は不明ですがビブ・フォーチュナはパイクの傘下に入っていました。
銀河の裏社会の主要な犯罪組織といえば、ハット、クリムゾンドーン、ブラックサン、パイク・シンジゲートなどといったところでしょう。
つまり、一瞬で地元の権力基盤を固めた上、パイク・シンジゲートの庇護を獲得したビブに対して、ハットは介入ができなかったのです。
さて、そんなビブを殺したボバの立場は、パイク、ハットから見てどのようなものだったのでしょうか?
ボバの存在はどの組織にも属さない独立主体です。
パイクにとって目の上のたんこぶでしかなく、ナイト・ウィンドを送り込んでボバ暗殺を企てた黒幕もパイクでしょう。
一方、ハットにとっては、邪魔者が一人減ったものの、パイク支配下の状況は変わらないので無闇に手出しはできません。
では、なぜこのタイミングでボバ・フェットの前に「双子」が現れたのか?
それはおそらく、ちゃんとパイクと談合した上での登場に違いありません。
8D8が言っていたように、ボバはジャバ、そしてハットを恐れていました。(誰でもそうだと思いますが)
ハットとしては、自ら姿を現して事の重大さを理解させれば、ボバも諦めてモス・エスパを出ていくだろうと高を括っていたのではないでしょうか?
そうすれば支配権を取り戻せずとも、一度タトゥイーンに赴くだけで、ボバ抹殺に手こずっているパイクに「貸し」をつくることができるのです。(はなからジャバの遺産を取り戻そうとはしていない)
裏社会での「貸し借り」は重要な意味を持ちます。
ハットは協力の見返りとして、何を得たはずです・・・
冷徹にローリスクハイリターンを狙う、これこそがハットの醍醐味。。
ちなみに、脅しで終わらなかった後の始末も完璧と言えるでしょう。
クルルサンタンを送り込み暗殺しようとしますが失敗に終わります。
これはパイクへ「ちゃんと暗殺者も送り込む努力(=パイクが既に取った手段と同等の労力)はかけました」というジェスチャーだと思われます。
そして、失敗後は宮殿まで自ら出向き、贈り物まですることで誠意を見せ、「お互いに騙された」と言い訳をしてボバからの恨みを買わないよう動いています。
敵をつくらない立ち回り、見事すぎる・・・。
クルルサンタンがコロッとやられちゃったのは残念ではありましたが、この権謀術数が垣間見れたのは期待通りでした!
なぜパイクがタトゥイーンを攻めたのか?
そうなると、なぜハットが正式な権利を持つ土地に、ビブを使ってパイクが危険を冒して支配域を広げたのか、が疑問です。
いくらビブが権力基盤を固めても、ジャバの元直轄地を奪うとなれば、相当の理由が必要です。
ここでも、もちろん「利益」になるからが理由のはずですが…
タトゥイーン名物の奴隷売買ではなさそうです。
カギになってくるのは、過去篇で登場したスパイス列車でしょう。
そしてその権益は、「ハットにとってはそこまで利益にならず、パイクにとっては莫大な利益が得られる」のでしょう。
そうでないと、今の状況は生まれないはずです。
モス・アイズリーからどこかの誰かへスパイスを運んでいるのか?
秘密のスパイス精製工場?
小説『ブラッドライン』に登場する、ハット嫌いのニクト・カルテル?
今後のエピソードに期待です。
その他もろもろ
本話は他作品からのイースターエッグや、ファン心をくすぐる要素がたくさんありました。
ちょっと長くなりますが、時系列で触れていきます。
・冒頭、ようやくボマー僧が登場しましたが、登場しただけ。ジャバ時代は奇妙な共生をしてたみたいですが、追い出されてしまったのでしょうか?
・誤訳
「デス・スターの一部」だって?デス・スターが何かを知らない、つまりナンバリング映画すら観たことない・・・?第一デス・スターはヤヴィン4近くで爆破、第二はエンドアで爆破。時系列の理解も追いついていない…?
市の中心部が盆地になってるから「台地」が適した語かと。
・half man half machine:単純に「サイボーグ」と言わないところにスターウォーズ味がありますね。。EP6オビ=ワンがベイダーについて語ったセリフ “He’s more machine now than human.” が思い出されます。
・タイトルは「町」って訳すか…?登場人物からしても、「ストリートギャング」感を出していきたいところ。街か路地か。
・モス・アイズリー
過去のボバが訪れたのは、これまでの舞台となってきたモス・エスパでなく、アイズリーの方。
EP4でルークが旅立った場所、チャルマンのカンティーナがある場所で、『マンダロリアン』でディン・ジャリンが訪れた場所です。
ディンも見た串刺しのストームトルーパーヘルメットがあることから、既に帝国敗戦するまで日が経っていたということが分かります。
さらには、ピットドロイドを連れたペリが悠々と歩いてましたね!
・パイクってこんな顔してたのか・・・
かつての首領ロム・パイクをイメージしてたから、魚っぽい見た目の準パイク種族的なやつらかと思ってた。。
よく見たらロムも目になんか付けてたんだね。。。
・宮殿の情景描写で登場したカエルもどきはワートというクリーチャー。EP6でチューバッカが捕まった後のカット切り替えでも一瞬登場しました。
ゲップするかな、するかな・・・した!!ってなった笑
・ランコア
『マンダロリアン』に引き続き、マンダロリアンとクリーチャーの関係性も深掘りされていきますね。
実際に乗りこなして友達になるのか、ハットからの刺客なのか・・・は乞うご期待です。
ちなみに性別は触れられませんでしたが、『バッドバッチ』に登場した、ビブ・フォーチュナの愛ランコア「ムチ」だったりするのでしょうか?
・「ダソミアの魔女たちが森や沼を駆けた」
これ調べてみたら、ランコアの母星は惑星ダソミアでした!一瞬ヴェントレス関連?と思った。
・新たな猛獣使い現る
ハットはランコアと共に猛獣使いも贈りました。
前のランコアを担当していたマラキリは今どこにいるのでしょうか?
・ランコアの餌としてボバが頼んだのがロント。EP4のリマスター版でやけに追加されていたクリーチャーです。まだこのランコア小さいので、大きさ同じくらいですね。
・スピーダーチェイス中に突き破られた絵画。。あれ何だったんだろう。ビブもボバもいてEP6以前のものみたいですね。ストーリーがありそう。。
・最後に衝突したのは、ヘラ・シンドゥーラの好物メイルーラン(『反乱者たち』より)
最後に
いや、私チュン・ソロとしては、これまでで一番楽しめました!
ボバの意図が種明かしされ、クルルサンタンが暴れ、ハットの恐ろしさも見せ付けられ…
まだ3話目。
さて戦争となるか?
▼第4話
それでは次に会う時まで、May the Force be with you…
コメント