どうしてこうデイヴ・フィローニはオタクの心を弄んでくるのだろうか。
画面の中と人々の頭の中にしかない想像上の物語だと分かっていても、夢中になってしまう。
紡がれてきた物語が絡まりついて心が苦しかった…
私にそんなポエムを書かせたドラマ『アソーカ』第4話「堕ちたジェダイ」(Fallen Jedi)のネタバレ解説記事です。
▼前話の感想&考察
セリフ殺傷能力ランキング
まずは私の息の根を止めかけたセリフをランキングで紹介していきましょう。
第1位 “Hello, Snips”
まあこれはズルいよ、登場するだけで1位ですよ。
まあ冷静に見返すと、場所が場所だし、実体なのもよく分からんし、何よりこれに続くダース・ベイダーのテーマが不気味すぎるし…。
ちなみにこの黒ずくめの格好は『エピソード3/シスの復讐』からそのまま出てきた格好ですね。
『クローン・ウォーズ』シーズン7でアソーカが最後に見たアナキンの服装といえば納得できますが、
『エピソード6/ジェダイの帰還』ではベージュのジェダイ胴着を着ていたので、ダークサイドみが増しています。
本人ではなくて、ビジョン、もしくは何かが化けてるのかもしれん。ほら、変身できるドーターの化身モライも平気で狭間の世界にいたじゃん。そんで「アナキンの元を去った」という後悔と向き合わせることになるとか…。
てか、SWセレブレーションでヘイデンが、アシュリー・エクスタインの”Nice to meet you, Skyguy”に対してSnips返しをしなかったのは、このために取っておいたんじゃないか説を提示します。(妄想しすぎですね)
日本語訳が「お調子者」になってて「は??これはアウトでしょ」って発狂しそうになったけど、振り返ってみるとこれまで「スニップス」とは訳されてこなかったのか…。(見直したら「お調子者」でした。後は省略されてたり、「パダワン」呼びに変わえられてたり)
アナキンのあだ名「スカピョン」呼びの返しはなかったですね。笑
唐突に「お調子者」呼ばわりしたんじゃないんだよ!!!
映画『クローン・ウォーズ』時代からある、スカピョンに対するニックネームの“スニップス”なんですよ!!!
第2位 “Stay together”
世に出回るミームを借りる形で恐縮ですが、これが一番分かりやすい。
思い出したのは、TCWシーズン3のモーティス回。
「一緒にいる限り大丈夫だ」(We’ll be fine as long as we stay together.)
by オビ=ワン・ケノービ
未知の星に降り立ち、未知の人物と遭遇したオビ=ワンの一言。
離れずに一緒にいれば悲劇は免れ得たかもしれない。
ジェダイの叡智ヒュイヤンは、師弟が離ればなれになってはいけないことを多くのジェダイを見て知っていたのでしょう。
ううー…。
第3位 “Can I count on you?”
もう第1話からいい意味でこすりまくってるので、明らかですが。
アソーカの「頼りにしていい?」(”Can I count on you?”)の重さたるや…。
エズラは、ジェダイとして皆を守ることを”I’m counting on you.”(頼りにしてる)という言葉でサビーヌに託しました。
エズラの“遺志”を守れるかを、この言葉で聞くアソーカは鬼ですね。
多分、サビーヌは「(勝利の暁には君が救ってくれるのを)頼りにしている」と信じ込み始めてるけど、
パーギルが未踏の地まで飛んだのって、エズラがフォースを通じて遠くまで運んでくれって伝えたからじゃないかと思う。
全てをなげうって救いに来たのに、彼は戻ることを望んでいないとかいう最悪な再会にならないことを願います。
そして吹き替えは「信じていい?」だったので台無しですね。
入選セリフ
On your signal. Phoenix Leader.
ヘラの “Once a rebel, always a rebel”(意訳:反乱者になれば一生その性は変わらない)もよいのだが、それに続くこのテヴァのセリフがよい。
テヴァから反乱軍初期のヘラの肩書き「フェニックス・リーダー」が聞けるとは、テヴァも粋な人ですな。
テヴァが反乱軍時代にどこ所属かは知りませんが、『反乱者たち』に全く出ていないテヴァでも知ってるということがシンドゥーラ将軍の評判が物語ってう゛ぁいます。
It’s the only way.
ベイランからの最後の押しの一言。
あの人と同じ言葉を使ってるんですよね…。
「仲間になれ、他に道はない」(Come with me. It is the only way.)
by ダース・ベイダー(『エピソード5/帝国の逆襲』)
サビーヌを口説いてる時のベイラン、多分軽めのマインドトリックしてますよね。
口説き中(多分マインドトリック)そしてフォースチョーク中は音が籠もってますが、終わると一気に周囲の音が聞こえるので、一緒に息苦しくなりました。
音楽が素晴らしい。
マインドトリックって元々、対象者の欲望を増幅させてる感あるからな…。
「君は見張りをやめたくなる。君は牢の檻を解除して酒場に飲みに行きたくなる」
by オビ=ワン・ケノービ(『クローン・ウォーズ』シーズン1第12話)
Lock S-foils in attack position
そう、この瞬間が好きなんだよな。
ゲーム「スコードロン」だと自分で操作はできずとも、ちゃんとパイロット目線で戦闘翼開くの見られるから最高です。
新たに訳さなくとも『エピソード4』から「戦闘翼を開け」を引用すれば良かったのに。
※もちろんジェイセンの”I… I’ve got a bad feeling.”もありましたが、何だか唐突すぎて気に入らなかったのでランク外…。
時系列の感想
冒頭の森林の音、エンドアかダゴバと同じかと思いましたが、さすがに違いました。
スター・ウォーズにはイウォークにジャワの効果音を流用する雑さがあるからね。
ドロイドの決闘パート2!!!
パート1はTCW S1第7話、見た目はしょぼめのアストロメク同士の戦い。
ホーム・ワンなんて何度見たっていいもんですから。
実写ゴーストを真近で拝みました!!!
なぜアソーカは二刀流をやめた…?
今回からなぜか一刀流で、いろいろな構えも見せてくれました。(詳しい訳ではないですが見た限り)
マロック戦:一刀流逆手持ち→中段の構え→上段の構え
ベイラン戦:中段の構え→脇構え→中段の構え
マロックはボバ・フェットでした!(演出的な意味で)
尋問官はセーバー回し始めると負けがちだからね。
サヴァージ・オプレス死亡時と同じ緑色のモワモワが出ていたので、やはりナイトシスターの魔法がかかっていたようです。
誰かは分かんなかったですが、ボバ・フェットなのでそのうち分かるでしょう。
サビーヌの戦い方。これだよ!!って言いたくなりますね。
まずはフォースが使えなくとも、マンダロリアンの技術で敵を出し抜く。
ベイラン戦でのアソーカ、ローブを投げ捨てるの新しくない?
シオンの目は、ハイパージャンプ時に軌道が残っていたのが大きな違いでしたね。
テーマ別の考察
「はざまの世界」とは?
アナキンが登場した最後のシーンの場所は“はざまの世界”だと思われます。
“はざまの世界”とは、フォースが全ての時空を結ぶ神秘的な場です。
アニメ『反乱者たち』シーズン4の第13話「世界の狭間の世界」で正式に導入されました。
実はエズラが、シーズン1の第10話でクリスタルを得た場所、シーズン2第18話でヨーダと出会った場所も“はざまの世界”であったことがデイヴ・フィローニによって明かされています。。
エズラは3度目に“はざまの世界”に入った際に、その全貌を知りました。
この場所は全ての時空と繋がっており、ポータルを通して時間軸に介入することもできたのです。
惑星マラコアでベイダーに敗北しそうになったアソーカは、最後の一撃を喰らう瞬間にエズラからポータルを通して引き抜かれ命を救われました。
あ、そういやはざまの世界ならヨーダも実体登場してたな。
サビーヌを突き動かすものとは?
どうもサビーヌはマンダロア大粛清で家族を失ったようです。(ドラマ『ボバ・フェット』チャプター5参照)
そしてアソーカに行くなと言われて、見殺しにせざるを得なくなった。(てことは、ロザル奪還からわりとすぐにアソーカとの師弟関係が始まっていた?)
「ジェダイの正しさ」を優先することによって、父親同然のケイナン、兄弟同然のエズラ、そしてせっかく和解できた本当の家族まで失ってきたのです。
私も「なんでエズラの意志を継がないんだ…子供っぽすぎないか?」と思ってきましたが、サビーヌにとって今やジェダイとは呪いであると言っても過言でないでしょう。
とはいえ、除幕式には出席せず、総督ライダーに嫌みを言い、家族の死をアソーカのせいにするのはいただけない。
まあマンダロリアンの頑固さなのでしょうが。
にしても、チョッパーはいいとしてヘラは家族として数えてくれよ~。何ならエズラより付き合い長いでしょ。スローンはヘラの故郷をめちゃくちゃにしましたけど…?
ベイランは新時代のドゥークーか?
モーガンとの会話が重いのよな。
「経験」から来る恐怖とは一体何なのでしょうか?
彼の言動が誰かを思い起こさせると思ったら、ドゥークー伯爵ですね。
大局的な善のために、一時的な破壊には目を瞑る、という思考そして行動が完全に一致するんですよ。
そういやドゥークーの信奉者出したところだったな。。
彼の“破壊”の対象は、新共和国でしょう。
もしかするとオーダー66を生き延びた後、ドゥークー伯爵の生き様を学び、彼に傾倒しているのかもしれません。(かなりドゥークー贔屓な予想ですね)
確かに新共和国は、共和国時代の欠点を何も解決することなく復活しています。
ダメな部分は『ブラッドライン』でも『マンダロリアン』シーズン3でも本作でも嫌というほど描かれてきました。
ベイランの言い分に納得してしまう日も近いのかもしれません。。
アソーカへの「死と破壊しか残さない」発言の真意も気になるところ…。
彼の言動に注目です。
さいごに
これでまだ前半かよ。。
最高かよ。。
次回はフィローニ監督回かよ。。
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