クローン・ウォーズオタクによるクローン・ウォーズオタクのための記事の第5弾。
今回は、ジェダイがメインとなる2話構成のエピソードです。
エピソード解説
第13話「ジェダイの遭難」”Jedi Crash”
Greed and fear of loss are the roots that lead to the tree of evil.
強い執着は悪の木を育てる根である
アイラ・セキュラ将軍、TCW初登場!
アナキン不在の状況で、アソーカの成長も描かれます。
ちなみにジョージ・ルーカスの養子であるケイティー・ルーカスが初めて脚本を担当した回でもあります。
『バッドバッチ』シーズン3の予告編公開で話題となった『Dark Disciple』の元の脚本もケイティー・ルーカスが担当していました。アイラの師匠はクインラン・ヴォスなので、いろいろと繋がりがあるんですね。
珍しく大気圏内での交戦。大気圏の中だからといって、あの高度で窓を開けるのはどうかと思います。笑
初っ端からアクションシーンとアナキンの無謀な勇敢さ&自己犠牲を見ることができます。
ちなみにアイラが話す英語はフランス語なまりです。ルーカスの好みで、トワイレックはフランス系というお決まりがあります。
ハイパードライブの異常作動で惑星クエル(Quell)から、ジャンプすることになった一行。
大気圏でのハイパージャンプでは、煙の跡が残るんですね。
ユラーレン提督の「予想進路をはじき出せ」というセリフは、英語では Plot every course along their last known trajectory. と言っています。
ジャンプの軌道から、到達地点の予測を立てるのがハイパージャンプ追跡の基礎です。
Calculate every possible destination along their last known trajectory.
by ダース・ベイダー(エピソード5)
アニメ『反乱者たち』では秘密基地の場所を隠すため、目的地に直進をせず、何度もハイパージャンプをすることでジャンプ先を隠す、という手法が取られていました。
シークエルでトラッカーが登場し、常識が完全に変わりましたが…。
アイラたちはハイパージャンプのコース変更ができないため、機体自体の電源を落としてリセットします。
人工重力が消えて浮いてるのに加えて、加速分だけ後方に引っ張られる状況に…。
パワーを復旧するも、制御が効かず重力に引かれて、惑星マリダンに墜落します。
物語の進行上の都合から、医療ドロイドは背景で置き去りにされましたね。。
執着について悩むアソーカの心理的成長が描かれます。
アナキンは「思いやりはジェダイの中心、愛は奨励されている」と聞こえはいい形で独自解釈していましたが、アソーカはまだ自分の答えを見つけられていない模様。
マスター不在の時に隣にいるのが、同じ立場で考えてくれるアイラでよかったね。
ただ今回は「アソーカ自身が思うアナキンのためになる行動」対「全体のためになる行動」を考える時に、実は後者の方がアナキンのためになるという結果でした。
そのため、執着に関する悩みへの解決はまだ先であり、まずは「長期的・俯瞰的な視点を持つ」という第一歩を歩んだに過ぎません。
アソーカの成長は始まったばかりです。
キャメロン、ラッキー、フレッシュの3人が猛獣マスティフに襲われて死亡します。
ラッキーは、後にボバがジェダイクルーザーに潜入する際に使ったニックネームですね。
ちなみに今回のジャンプのコースと、ルアメンの避難ルートはこちら。
運悪く直近の星系に一直線しちゃった感じですね。
ルアメンは随分と遠くに移住しようです。
そういえば誰がワグトゥーと行くかを決める時、みんなの発言の辻褄が合ってない気がします。。
アイラ:アイラとブライが残る、アソーカが行って。
ティー:クローンは残るな、アソーカと行け。
アソーカ:一人で大丈夫。
アイラ:何言ってるの?(最初はブライなしで、アソーカ一人に行けって言ってなかったっけ…?)
第14話「平和の守護者」”Defenders of Peace”
When surrounded by war, one must eventually choose a side.
戦争に巻き込まれれば、遂には選択を迫られる。
ジェダイの真理を突くエピソード。
We’re keepers of the peace, not soldiers.
マリダンにやってきたロク・ダード将軍の目的は、新兵器のdefoliator(焼夷弾)のテストでした。
そのためにわざわざ移動式司令部を設置していますね。
この兵器は後にダソミア掃討作戦で実戦投入されています。(シーズン4第19話)
共和国側も対抗して、機械のみを無効化する砲弾を開発しました。(シーズン2第18話)
ジェダイと平和主義
平和主義者との問答。
武器を捨て非暴力を貫いた時に、ジェダイは真の平和の担い手となるのだ
by テー・ワット・カー長老
ジェダイは常にライトセーバーと共にあるため、非暴力ではありません。
一方で、ライトセーバーは基本的に防御のために使用されるものであり、ブラスターのように攻撃的で野蛮な武器を持つこともありません。
つまり、ライトセーバーには、攻撃されるまで抜かれることのない「文明的な強者の象徴」としての役割があると私は考えます。
長老の論理は他者を傷付けない素晴らしい考えでありながら、「誰かを殺すくらいなら死を選ぶ」とも言っている通り、暴力を用いる者を前にすると服従するしか選択肢がないものです。
There’s a difference between pulling innocents into a war and leaving them to extinction.(中立者を戦争に巻き込むのと、虐殺を見過ごすのは同じでない)
本来はこのように、他者を守るために武力を用いるのがジェダイです。
だからこそ、いつ誰のために武力行使をするか適切な判断力が求められます。
無事に村が守られた後の長老の苦悩「これでよかったかは分からん」という言葉は、事実上、共和国側に与したことで、将来戦争に巻き込まれることを憂いているのでしょう。
その時にジェダイがいるとは限らず、また好戦的になった村人がトラブルを起こす可能性もあります。
目の前の命を救う行動ではありましたが、アナキンも将来に渡る責任までは考慮していなかったでしょう。
TCWは基本的に中立者がジェダイに協力してめでたしめでたし、という流れとなるので、その行為の代償はほとんど描かれません。
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