2024年6月5日(水)から配信開始となったスター・ウォーズの新ドラマ『アコライト』。
『エピソード1/ファントム・メナス』の100年前を描く意欲作です。
今回は初回配信された第1話と第2話について、ブログ主の感想と小ネタ解説をお送りします。
第1話「失って/見つけて」(Lost / Found)
メイ vs インダーラから見えてくるメイの戦い方
暗殺者メイの一人目のターゲットは、惑星ウエダにいたマスター・インダーラ。
実在する地名(上田)を惑星名にしてくるか…
インダーラのセリフ「戦う理由がない」(I have no quarrel with you.)は、ジェダイらしいひと言。
『クローン・ウォーズ』シーズン1第12話でも、散々いじめてきたホンドーに対してオビ=ワンがまったく同じセリフを口にしています。
メイの戦い方
2回戦含めて形式的に戦っていることが見て取れます。
・特徴的な前口上:儀式的に行っていることが分かります。
・隙を見てはライトセーバーを狙う:はて、目的は何なのか?
・ジェダイの弱点を正確に突いている:人助けをさせてるうちに目的を果たす。ヨーダの注意をそらしたドゥークー伯爵、帝国の時代にジェダイをおびき寄せた大尋問官に受け継がれています。
子どもを見て目撃者を見逃したことからは、自分なりに家族のため戦っていることが示唆されます。ヴェントレスみがありますね。
血を流すジェダイ
プロモーションでは、血を使ったポスターが象徴的だった本作。
血を流して倒れるジェダイは、スター・ウォーズの映像作品では初じゃないですか?
通商連合とメクネック
オーシャは、通商連合の貨物船で修理人(メクネック)として働いていました。
メクネックという概念は初出です。というのも、共和国に禁止されている船外作業員を指すから。
EP1ではR2-D2を含むR2シリーズドロイドが、逆に通商連合の攻撃を受けてナブー・ロイヤル・スターシップを修理してました。
さりげなく「奴隷制は共和国が禁止した」というEP1のセリフも意識しているようです。
ここで、通商連合の歴史を振り返りましょう。歴史を振り返れば、なぜ通商連合が登場したか分かります。(参照元:Insider等の雑誌を出典とするWookieepedia)
銀河共和国がアウターリムに自由貿易圏を設定した後、海賊等の被害拡大を受け、安全な交易を保障するために設立されたのが通商連合だそう。
そのなかで経済的な才能を持つニモーディアンが台頭し、民間の軍事部隊・艦隊を持つまでに発展させてきました。
その自由貿易圏に課税をして問題に発展したのが『エピソード1』のナブー侵略です。
今更だけど、そうなるとやはり、エピソード1の結末は何も解決してなかったんだ。。
民族間の友情という綺麗事とシスのやり口で惑わされてたけど、実際は「共和国元老院は、どさくさに紛れてアウターリムの負担が増す課税法案の反対意見を潰し、紛争で困ってる人々にも支援を送らない」というメッセージを銀河に対して送ってしまっただけだった。
その後、アウターリムの重い負担が常態化したが、占領を行う過激派かつ通商のみかじめ料を取る通商連合に頼るわけにもいかず、とはいっても力を持ったアウターリムの惑星もない。
そこに登場したのが、平和的な分離主義運動を訴えるセレノーのドゥークー伯爵。
やっぱプリクエルはよくできてるよ。
脇道に逸れましたが、『エピソード1』に続く物語としては、後々、導火線に火をつける役割を持つ通商連合を出してくるのは正解でしょう。
ちなみに、オーシャの同僚が口にしたナー・シャダーは、ハットの巣窟惑星であるナル・ハッタの衛星です。
私は、今となってはレジェンズ小説の『ハン・ソロ三部作』でナー・シャッダに出合いました。
ソルとヴァーネストラ
ここの場面は、明らかに『エピソード2』の修行をつけているヨーダの元を訪れたオビ=ワンの場面を意識してますよね。
政敵や世間体を気にするジェダイの体質は変わりません。
カーラックへの墜落
オーシャの過去が明かされます。
崖の前に立つオーシャと引き留めるソル。
これ完全にシーズン5で容疑者アソーカを追っていたアナキンの図。
そもそもオーシャには、アナキン・スカイウォーカーとの共通点が作られています。
アナキンは異例の遅さである9歳でジェダイ・オーダーに入りました。オーシャは8歳のとき。
通常は物心つくかつかないかの年齢(オビ=ワンの3歳でも遅い方)で入り、故郷への執着は禁止されています。
また、自らの意思でオーダーを去ったという点はアソーカに寄せられています。
さりげなくちりばめられている。。
存在の知られていない双子の存在もルークとレイアを想起させます。
ちなみに、カーラックは『クローン・ウォーズ』でデス・ウォッチが野営を張っていた場所です。
この時代にも、惑星の反対側には、あの平和的種族が住んでいるのかな。
第2話「復讐/正義」(Revenge / Justice)
オレガのジェダイ聖堂
二人目のターゲット、マスター・トービンの元を訪れたメイ。
メイが触れた「バラシュの誓い(Barash Vow)」とは、フォースとの深いつながりを得るため、オーダーとの関係を一切断ち切るというものです。
トービンは10年間、オーダーの誰とも話していなかったようですね。
メイと相対した彼は罪の赦しを求めて自ら毒を飲んでしまいました。
やはり、ブレンドクで起こったことには何かが隠されている。。
メイ捕獲作戦
初回の「イヤな予感がする」はヨードでした。
作戦をパダワンに即却下されてる点も含めて、ヨードは頭固い系ゆるキャラですね。(ロシアン・ドールを見ているので、性格も含めてアランにしか見えない…)
ソルとの格闘戦。
ここではお決まりの前口上もすっ飛ばしてソルに蹴りかかりました。
予期してなかったというのもありますが、目に涙を浮かべているようにも見え、メイがより感情的になっているように見えます。
以前の2人よりもソルとの方が直接的な関係性があるようです。
「救えなかった」とは何を意味するのか…。
ヴァーネストラの指示
年を取り、さまざまな経験を積むと、人は変わるものです。ヴァーネストラも同様。
『アウト・オブ・ザ・シャドウズ』では感受性豊かで、若さゆえの悩みを抱えていたヴァーンが、評議会や議論を重視するマスター・ヴァーネストラとなりました。
この先、過去の片鱗を見せてくれる機会も出てくるでしょう。
全体の感想
ジェダイの根源に迫り、『エピソード1』へと続く作品としては完璧な設定・進め方ではないでしょうか。
闇は常にジェダイの過ちから生まれる。
シスはジェダイの犠牲になった人々に力を与える。
そんな関係性が掘り下げられていくでしょう。
メイの過去にはジェダイの過ちが関わっているようです。
真実の暴露はオーシャだけでなく、他の若きジェダイたちにも衝撃を与えることでしょう。
“Have faith in me.” が崩れる瞬間が訪れる瞬間が来るのでしょうか。
プライドや政治的なしがらみなどから、過ちと向き合えないジェダイたち。
プリクエル、そしてオリジナルのジェダイたちは正義を掲げるのが得意ですが、己の失敗と向き合うのは常に下手くそでした。あのヨーダ含めて。
それを終わらしたのが、マスター ルーク・スカイウォーカーです。
というサーガ全体の流れからしても、『エピソード1』の前日譚という立ち位置からしても、スタートダッシュはよいので、今後の行き着く先に注目です。
ただ正直なところ…まだ私チュン・ソロの心にはグッと来ない…。
世界観は確かにスター・ウォーズだし、ちりばめられてるし、魅力的なキャラも多いし(ジェキがいいキャラしてる)、気になる謎も多いが、いまいち引き込まれない…。
『アンドー』の例があるので、とりあえず様子見です。
マスター・ソルの名前が意味するもの(ネタバレ予想)
sol はラテン語で「太陽」を意味する。
ジェダイとして太陽のように希望を広めたかったソル。
しかし、時に太陽の熱は火を生み出してしまい、大きくなって何もかものみ込んでいく。
オーシャをのみ込んだ火の源はメイであったのか、それとも太陽であったのだろうか…。
細かい点
本編前のヘルメットや顔が次々に光る演出。
基本的に新作の登場キャラクターが映る(『アソーカ』ではサビーヌとマロック、『バッドバッチ』ではハンターなど)のですが、特に追加なしでした。
そういえば、あまりマスクのキャラクターがいませんね。
1話最後に姿を見せたメイのマスターが本格登場するときには、仲間入りを果たすやもしれません。
メイの乗る宇宙船がまったく触れられないのはなぜだろうか。
ジェダイの船は毎回登場するので、物語に無関係だからか、何か隠す目的があるのか。
にしても、ジェダイの船が全然違いますね。プリクエル時代のジェダイ・クルーザーとは全然違う船で移動していました。
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