Disney+(ディズニープラス)で配信中のスター・ウォーズドラマ『キャシアン・アンドー』。
今回は、シーズン1の第7話を考察していきます。
これは末恐ろしい怪物作品だ。
あらすじ & 感想
物語の流れ
キャシアンは故郷のフェリックスへ戻り、マーヴァへ共に脱出することを提案するが、逆に「反乱」に参加していると打ち明けられ、拒否される。
一人寂しく、暖かい惑星ニアモスへ移住するが…
ISBでは、アルダーニでの事件を受けて、銀河全体を対象にした報復計画を実行することになる。
監督官デドラ・ミーロは、ついに独自調査で組織的反乱の証拠をつかむが、先輩のブレヴィンにルールを破ったと告発されてしまう…
モン・モスマは反乱の名を伏せ、旧友に助けを請うことに…
シリル・カーンは、おじさんのコネで惑星コルサントにて新しい仕事に就く(平和。)
チュン・ソロの感想
初見感想
まずは初見時の感想。観たまま、思ったままに書きますが、
おい!一気に詰め込んできたな!!!!
ストームトルーパー、ここで出すか。。。。。
監視強化の背景でさらっと出すとは…。
スターデストロイヤー、ここで出てくるか…
TIEファイター1機であれだけ恐怖した後だから、デカさと恐ろしさがハンパない。。
シンタ可哀想。。
そしてまさかの…
セヴンス・シスター登場の予感!!!
↑の画像でシスターの方に乗ってるID9 シーカー・ドロイドらしきものが3体、ニアモスでキャシアンの頭上を飛んでいきました。
「3体」ならば・・・彼女なのでは・・・?
K-2SOと同型のKXシリーズ・セキュリティ・ドロイドも登場。
K2とは微妙に色違いっぽく、声も全く違いましたね。
気を取り直した後の感想
本作では、シリルやらデドラやら、帝国側に応援したくなる人物がたくさん出現しています。
なぜ『キャシアン・アンドー』は、“悪の帝国”に仕える人間を魅力的に描くことができているのか?
今回の第7話で、その問いに少し答えが見えた気がします。
それは対立構図が、帝国 vs 反乱軍 じゃないから。
パルパティーン vs 人々 だからではないだろうか?
正確な構図としては、
パルパティーン>>>>銀河帝国の人 vs 反乱軍の人 かな?
シリル・カーンの生まれは、コルサントに住む“普通”の家庭。
強烈な原体験もなく、帝国での生活が普通、当たり前な環境で育ってきた。
そんな普通の人代表のシリル君は「正しいことをしたい(社会貢献したいと意気込む就活生)」と当然のように思い、それと同時に「周囲とは少し違う自分らしさを保ちたい(誰しもが持つ承認欲求)」と思っている。
パルパティーンがデザインした「無個性な帝国」と、アイデンティティの戦場で戦っている。
デドラ・ミーロは警察出身の叩き上げ、出世を目指すキャリアウーマン。
現時点で、デドラが仕事熱心な理由は私には分からないのですが、
パルパティーンによる「人間種族の白人男性優位主義」「クソ常識」と戦っている。
反乱活動の急先鋒、モン・モスマとルーセン・ラエル。
ルーセンの詳しい身の上は分からないが、二人にとってパルパティーンによる共和国乗っ取りは心に大きな傷を残したトラウマとなったのだろう。
モスマ議員は忠誠派として難民支援や大戦の外交的解決をマジメに探ってきたが、目指していた大戦終結と同時に独裁体制の帝国誕生、そしてロールモデルでもあったパドメの死を経験。
夫ペリンはその悲しみを理解できないし、理解しようともしなかっただろうし、しばらく孤独に絶望していたことでしょう。
こうして、過去失ったものにそっと蓋をした後は「毒を以て毒を制す」、身近で見てきたパルパティーンのやり方を学んで、新たな戦い方を始めた。
(ソウ・ゲレラの場合は、新たな、というより更に過激化したと言った方が正確であろう)
▼反乱軍はみんな、“モール”になったのだ
パルパティーンは新たな秩序を構築した。
その圧倒的な力を前にして、立場は違えど銀河の人々は目の前の環境を必死で生きていく。
ただ、それだけ。
反乱軍について、
ジェダイ亡き後の「民衆」を屁にも思っていなかったパルパティーンの自信過剰が招いたものが「共和国再建のための同盟」なのである。
シスに一対一で勝てる人間は殲滅されたが、その過程で手の内を見せてしまった。
しばらくすればデス・スター完成するから、民衆は「茹でカエル」しておけと。
まさか、一部の“人々”がその手法を学び、銀河規模で抵抗運動を始めるなど思いもせずに…。
“Your Overconfidence is your weakness”
by ルーク・スカイウォーカー(エピソード6/ジェダイの帰還)
(とは言っても、民衆向けのオーダー66「デス・スター」の存在は誰も知らなかったので、同じフィールドで戦えていはしなかったのだが…時間の計算だけ間違えましたね。ルーセンが銀河市民の苦しみと引き換えに「強火」にしたせいですね。)
よく「選挙で誰に投票すればいいか分からない」という悩みに「完璧な候補者はいないので、マシな方を選ぶのが選挙」みたいに答えるのを聞いたことがある。
ジェダイは常に「まだマシな方」だったのだ。
腐敗するし、ミスも犯すが(マルテス姉妹のトラウマ)、銀河を「絶対悪」から守る防波堤の役割は果たしていた。
しかし、いつしか自分たちが「絶対善」だと勘違いをしてしまった(メイス君、あなたのことですよ。)が故に、絶対悪の台頭を許してしまう。
スピンオフかと思いきや、思いっきりスター・ウォーズどまんなかじゃねえか。
考察
帝国の鉄槌
ISBの報復計画
・増税→8000万クレジットの回収
・地元文化容認の撤廃→テロの温床を防止
・ISBの権限強化
・公序再判決指令(Public Order Resentencing Directive)
パータガスさん、少佐っていうからそこまで階級高くないと思ってたら、さらなるお偉いさん登場です。。
とか思ってたら、ユラーレン大佐だったのね。。
モスマの苦悩
モン・モスマの発言を一つずつ見ていきます。
モン・モスマが出席する反乱ネットワークとの会合。
おそらく、ベイル・オーガナとアーソカ・タノ改めフルクラムとの活動のことでしょう。
ルーセンに提案していた仲間とは、旧友の銀行家テイ・コルマでした。
今更ですが娘の名前、読みは「リーダ」ですが、英語表記は「Leida」。
いつかは、レイア(Leia)と会わせたかったのかも?
「3人しか知らない」というのは範囲が難しいですが、ベイル・オーガナとルーセンは確実として、ラスト一人はソウ・ゲレラなんですかね?
そして急に出てきた「分離主義者」の名前。
一回目の、「分離主義者(Separatist do-gooder)を守ることもできず」の方は、敗戦側となった独立星系連合の指導者の処遇、つまり戦後処理で減刑みたいなこと目指して失敗したという意味でしょう。
ただ二回目に出てきた「分離主義者の会合(Separatist coalition meeting)に大宰相(Grand Vizier)が潜入」というのは、分離主義者なのか疑問です。。
文脈的に「最近監視が増している」という流れですし。
帝国内にSeparatist Coalitionという一派がいるのだろうか…?
クレムの宿命
ここまでマーヴァの夫、クレムの姿がありませんでしたが、ついに彼の最期が明かされました。
彼は、クローン大戦終結後の惑星占領でフェリックスにやって来たクローントルーパーに殺されたのでした。
クローンアーマーが健在なので、『バッドバッチ』でのライロス占領と同じで、帝国成立のすぐ後だと考えられます。
※でも疑問
初期の徴兵された人であればTKアーマーを着るので、彼らはクローントルーパーのはずです。
ですが、よく見るとトルーパーたちの身長が違っているので、謎は深まるばかり。。
目の前で養父を殺された若き日のキャシアン。
前回言及された少年院での3年間は、クローン兵に復讐しようとして逮捕されたのでしょう。
そこからもミンバンに送り込まれ、帝国に辛い目に遭わされ続けたキャシアンの頭にあったのは「残された家族を守ること」だった。
「帝国から逃げる」手筈を整えたことで喜んでもらえると思っていたのに、逆に自分の行動でマーヴァの闘志を燃やしてしまい「帝国と戦っている」と明かされてしまいました。
何とも悲しいすれ違い。
ただ、「クレム」の名で帝国に一矢報いたと思うと感慨深いですね・・・
『キャシアン・アンドー』第7話の小ネタ
テレビ初登場じゃない?基本ニュースもホロ配信でしたから。カーン家が貧しい?
ヴェルに会うためにクレヤが地面で見つけた道しるべのマーク、反乱者のマークでしたね。
新たなビーチ惑星ニアモス。
『ローグ・ワン』で初登場したショアトルーパーがいましたね。素朴な疑問、寒冷地仕様は必要として、ビーチ用に特別仕様はいるのか…?
新たな偽名キーフ・ガーゴ(Keef Girgo)には、意味あるんでしょうか。
標準局での最後の演出。。
映画『群衆』を彷彿とさせますね。。。帝国下でもがく彼も大勢いる群衆の中の一人に過ぎない。
さいごに
さて、ここから6年間のキャシアンの『ショーシャンクの空に』生活が始まります。
…という訳にはいかないので、おそらく暗殺しに来るはずのヴェルが、結果的にキャシアンを助け出すことになるのでしょう。
怪作『キャシアン・アンドー』は、残り5エピソード。
10月26日(水)には、『テイルズ・オブ・ジェダイ』が配信開始です!
▼主役のアソーカとドゥークー伯爵の復習用にどうぞ!
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