今回は、前行った企画の第二弾。
エピソード5をオタクが勝手に大解説します!!!
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の豆知識、他作品との関わり、イースターエッグ(主題とは関係ないジョークや隠れメッセージ)を紹介していきます。
セリフの話
セリフ一つ取っても、様々な背景があります。
だから面白い!
「ガンダークの耳だって引きちぎれそう」
ワンパに襲われた怪我から回復したルークに対して、声を掛けたハンのひとこと。
スターウォーズ世界で使われることわざのようなものでしょう。
「ガンダーク」とは、惑星ヴァンコアに生息する凶暴な4本腕のクリーチャーのことです。
英語では “You look strong enough to pull the ears off a gundark.”(ガンダークの耳を引きちぎれる程に力強そう) となっています。
ちなみに、本物のガンダークがどれほど恐ろしいかは『クローン・ウォーズ』で見ることができます。。
「ナーフハーダー」
レイアがハンに怒り散らすシーン。
これ日本語版だと、つまんない訳になってるんですよ。
原文は、”Why you, stuck-up, half-witted, scruffy-looking nerf herder!” です。
それぞれ解説すると…
・stuck-up:傲慢な
・half-witted:まぬけな
・scruffy-looking:みすぼらしい、薄汚い
・nerf herder:ナーフ飼い
「ナーフ」というのは牛のようなクリーチャーです。
そして、「ナーフ飼い」というのは、その貧しさと家畜由来の臭いから「相手を侮辱する表現」として使われています。
でも、ハンが一番反応したのは “scruffy-looking” (みすぼらしい) でしたね。。
常に「ゴージャス」な男だと言われたかったのでしょうか笑。
“It’s our only hope.”
レイアに、ホス基地からの撤退をすすめるシーン。
「それが唯一の希望です」という意味で、C3POがレイアに言いました。
完全にEP4のレイアの「助けてください、オビ=ワン・ケノービ。あなただけが頼りです。」のオマージュですね。
また『クローン・ウォーズ』では、レイアの義父ベイル・オーガナ自身が、オビ=ワンに助けを求める際、このセリフを言うシーンがあります。
“Would it help if i got out and pushed?”
ホス基地から発進できないファルコンにいら立ったレイアのひとこと。
「外に出て押したら役に立つ?」という意味。
実際、叩いて起動する「ポンコツ(piece of junk)」なファルコンなので、押したら動いたかも笑。
こういうセリフ好きです。笑
“Search your feeling. You will know it to be true.”
「心の内を探るのだ。事実であることは分かっているだろう」という意味。
このセリフ、旧3部作で3回登場するんです!
①シディアスがベイダーに(息子がいることについて)、②ベイダーがルークに(ベイダーが父親であることについて)、そしてEP6で③ルークがベイダーに(まだ心の葛藤を抱えていることについて)使っています。
エピソードの枠を超えて、韻を踏んでいるようですね。
“It’s not my fault.”
小惑星帯から脱出したものの、ハイパースペースジャンプに失敗したハンのひとこと。
焦燥しつつ「俺のせいじゃない!」と言い放つハン笑。
ちなみに、べスピン脱出時にランドも全く同じ状況で “It’s not my fault” と言ってるから笑える。
なんだかんだ似通ってる2人。
シンクロシーン篇
スターウォーズでは、似通ったシーンが登場することがあります。
それは、暗示的であり、詩的でもある。
白い平原での戦い:EP8
EP8のクレイトの戦いは、明らかにEP5のホスの戦いをオマージュしています。
「撤退防衛戦」という目的、「広大で真っ白い平原」という舞台(雪と塩という違い笑)、塹壕に並ぶ兵士、迫りくるATATに立ち向かう弱小スノースピーダー…。
ライトセーバーを引き寄せる:EP7
EP7、スター・キラー基地でライトセーバーをフォースで引き寄せたレイ。
ワンパの巣でライトセーバーを引き寄せたルークと重ねています。
同じ雪の中、同じライトセーバー。
やはり、レイが「アナキン」「ルーク」に続く者(バランスをもたらす者)なのでしょうか。。
「夢の中に出てきたような…」:EP8
ルークは初めて訪れたダゴバで、「何となく知ってるような」と言いました。
EP8でオクトーを訪れたレイも、「夢の中で見たことがある」と言ってます。
ダークサイドの洞窟:EP8
ダゴバには、ダークサイドの強い洞窟がありました。
ルークは洞窟でベイダーと遭遇しますが、マスクの中は自分の顔でした。
レイは、オクトーでダークサイドの強い洞窟に入ります。
自分の両親を求めて、見たのは自分の姿でした。
どちらの洞窟も、
①ヨーダとルークという強いライトサイドの持ち主を強い闇で隠す
②ルークとレイという若者に、真に向き合うべきは自分自身だと教える
という役割を持っていたんですね。
ガスマスク:EP7
EP5で小惑星に逃げ込んだハンたち。
ファルコン号の周りに生命体(マイノック)がいるのを見て、外に出る際、ガスマスクを装着していました。
そのガスマスク、後にEP7でレイとフィンがハンの船に捕まった時に付けてます!
はい。
改めて、良くも悪くもシークエル作品が、ものすごい勢いでオリジナルをオマージュしてることが分かりますね。。
撮影の裏話
怪我したからストーリー変更!
EP5は、ルークがワンパに攻撃されるシーンから始まります。
でもこれ、実はルーク役のマーク・ハミルが車で事故ったせいだった。笑
本来、ワンパはホス基地に出没する予定でした。
しかし、マークが事故って顔に傷を負ってしまったため、その傷を劇中で説明するために登場シーンを変えたとのこと。
本来のシーンは、YouTube上で見れますが、かなりちゃっちい。笑
顔の傷によって、ライトセーバー引き寄せる名シーンが生まれたし、わりと結果オーライだったのかも。
撮影は暖かいところから?
EP5冒頭の舞台である惑星ホスは、ノルウェーでロケが行われました。
つまり、あの雪や吹雪は本物です。
しかし、その寒さに立ち向かっていたのは、マーク・ハミルだけでした。
あのワンパの巣から逃げ出るシーン。
マーク一人が吹雪の中演技をし、撮影隊は山小屋の中から彼を撮っていたというのです。。
まあ、機材の問題とかもあるけど、ちょっとかわいそう。。
驚愕の事実は、キャストにとっても初耳だった?!
「違う、私こそがお前の父親だ」
これはスター・ウォーズ史上、最も力強い驚きの事実でしょう。
しかし、当時映画館で観ていた観客と同じくらい驚いたのが、マーク・ハミルとダース・ベイダー役のデビット・プラウズでした。
というのも、撮影においてこのセリフは「違う、オビ=ワンがお前の父を殺したのだ」となっていたのです。
その後から、ダース・ベイダーの「声」を担当するジェームズ・アール・ジョーンズによって、真のセリフが録音されて、実際に使われました。
なんとも徹底されたネタバレ予防。。
まとめ
さてさて、今回はいかがでしたか?
知らなかったこと、気付かなかったことありましたでしょうか?
マジでEP5は、どのセリフにもキャラクターの人柄が滲み出ているところが、SW史上最高傑作たらしめる由縁でしょう。
掘れば掘るほど、まだまだ出てきますが、今回はこの辺で。
▼『エピソード5/帝国の逆襲』ブルーレイ版
それでは次に会う時まで、May the force be with you….